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雅治の春休み (7)

そして、週末。
学校へ歩きで向かった。
なぜ、歩きなんだ。
まだバスの方が良い。

先に校長室へ向かう。
あの校長先生、まだ居るのかな。


俊平がコンコンッと小刻みにノックする。
 「はい」
 「西田先生から話を頂きました。先に、こちらに向かう様にと。よろしいでしょうか?」
 「どちらの方かな?」
 「た…、雅と申します」
 「雅?」

ドアが開き、校長先生が出てきた。
え、校長って自分からドアを開けるのか…?
そう思っていたら、校長先生の方から声が掛かってきた。
 「…俊平?」
 「はい、そうです。校長先生、ご自分でドアは開けない様にして下さいね」
 「久しぶりだな。入れ」
 「ありがとうございます。失礼します」


俊平は俺を前に出し、校長先生に話し掛けた。
 「御無沙汰しております。西田先生からお聞きしております。校長先生に就任されたと。
おめでとうございます」
 「4年振りだよ、久しぶりで良いんじゃないかな。ありがとう」
その人は、俺の方を向いて言ってきた。
 「君は…、あの高校に行く前に私と話した…、あの雅君か」
 「え…、嘘、教頭先生が校長先生に?お、おめでとうございますっ」
 「ありがとう。元気そうだね」
 「はい、元気一杯です」
 「うん、君らしい言葉で良かったよ」

俊平は話し出す。
 「今日は、陸上部員の士気を高めさせたいので、来て貰いたい。と言われて来ました。
その前に、校長先生に挨拶してからと言われまして」
 「そうか。それは、ありがとう。あの先生も粋な事をしてくれるものだな」
 「これぐらいしか出来ませんが、西田先生にはご迷惑をお掛けしたもので」
 「まあ、話はそれ位にしようか。走りたいのだろう?走りたいという表情をしてるぞ。私にも、見させて貰いたいな」
 「はい。それでは、後ほど」

失礼いたしました。
そう言って、2人揃って校長室から出た。


 「なんか緊張する」
 「誰が見てようが、いつもの自分を出せばいい」
 「ん、そうする」
 「アップ程度で良いからな。本領出すなよ」
 「分かってるよ」
そう返事したら頭を叩かれた。
 「なんで叩くんだよっ」
 「言葉の使い方を勉強しろ」
まだ高校生だった頃の方が、言葉使いは丁寧だったのに…。
と、俊平はぶつぶつ言ってる。

あー、そうか。
俺、大学に入って気が抜けてたのか。
これはヤバイ、ヤバいぞ。
気を引き締めて教育実習に望まないと、教育課程学科から干される。
思いっきり気を引き締めてたら、俊平に笑われた。
 「なんで笑うのですか?」
 「いや、お前って…、本当に極端だよな」
 「何の事ですか?」
俊平は俺の頭をポンポンと軽く叩いてくれる。
 「何でもない。軽く流すつもりでやれよ」
OKです、と返事をしてグラウンドの陸部練習場へと走っていった。




 「えー、知ってる奴もいると思うが、元々、ここの顧問だった眼鏡先生と、元気なチビ高校生だ。
今日は、皆に走りと跳びについて説明をして貰う。今後の皆の活躍にプラスになる様にな」
ほいじゃ、よろしく。
そう言って、西田先生は降ってきた。
 (誰が元気なチビ高校生だよっ)
と心の中で罵りながら、俊平の言葉を聞く。
 「4年前まで、ここで英語を教えてました。部活中は、英語で説明して、日本語で返されてましたけど、皆はどちらが良いですか?英語で説明した方が良い?」

 「質問良いですか?」
 「はい、何でしょう?」
 「英語で説明されても意味が分からない場合は、どうすれば良いのですか?」
 「1年間、私の英語で部活をやってた生徒たちは、英語の成績だけは伸びたようです。
それでも、皆は今日だけなので、日本語の方が良いかもしれないね」
一同が、ほっと安心をしたのだろう。そんな表情だ。

うん、俺だってやっと慣れたんだよ。
毎日毎日、英語で話し掛けてくるんだから、ったく、このスパルタ教授め。

そして、俊平は長距離についての走りについて説明し、それを実際にやって見せた。
歓声は、本当に凄かった。

俊平はアップのつもりで走ったのだろう。
本気の走りでない事は知っている。
本気の走りは、あの時、俺は見たんだ。
4年前の、あの時。
あの一度だけだ。
俺の頭の中では、公道を走り走行車を軽々と跳び越えてる俊平の姿が浮かんできた。

すると、声が聞こえてきた。
 「次は、短距離、及び巾跳びの説明です。治先生、よろしく」

え、もうかよ。早くねえか…。
でも、治先生って、なんか良い響きだな。
思わず緊張していた。
 「えーとぉ、言葉では言い表せないので、実際に走り、跳んでみます。
それを見て、皆さんの中で考えて頂けたらと思います。では」

先に300mを走り、500mと100mに700mの順番で走る。
アップのつもりでと俊平に言われていたが、緊張で身体が動かなくなっていたので思いっきり走ってしまっていた。
 「すげー」
 「はえー」
 「あっという間じゃん」

そして、巾跳びと三段跳びを跳んだ。
先程の走りで身体の緊張が解れたのもあり、軽く流すつもりで跳んだ。
 「すっげー」
 「かっこいー」
 「三段って踏みこむタイミングが難しいのに…」

皆の前に戻って軽く一礼した。
 「見て頂き、ありがとうございました。特に三段は踏み込むタイミングが難しいです。
歩幅という言葉がある様に、自分の跳ぶ幅を見つけていくものです。でないと、アウトを貰う羽目になります。えーと…、すみませんっ。こういう事しか言えず、結局、何をしに来たんだ…?という自分ですが…」

パチパチと拍手が聞こえ、西田先生の声が聞こえてくる。
 「まあ、治には、まだ説明は無理だろうと思っていたよ。
でも、皆にもいい刺激だったと思う。スポーツ全般に言えるが、 『今の自分に満足するな』という言葉がある。コンマ01でも良いので、早く、また高く目標に近付くように足掻いていく。この足掻き方が一番の曲者なんだ。それを説明するのは難しいものがある。
それじゃ、皆。各自、練習開始っ」

 「はいっ」
皆が、各々の練習を再開しだす為に動き出した。




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治は先生というガラではなさそうですね(-_-;)
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