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弟と兄 (29)

あの後、祐樹の担任と話をしたのを思い出す。


祐樹が俺を置いて走り去った姿を見送っていた俺の背中に、声が掛けられた。
 「小林祐樹さんのお兄様でしょうか?陸上部の顧問もしております、担任の斎藤と申します」
 「あ…、兄の小林道夫です」
 「お話ししたいのですが、これからよろしいでしょうか?」
 「はい」

学校で話しますね。高校は、こちらになります。
そう言って、担任は案内してくれる。
すぐ学校に着き、教室内に入れてくれた。
 「改めまして、担任の斎藤です。よろしくお願い致します。」
 「小林道夫です。弟がお世話になっております。」
 「小林さんは弟さんがこちらにいらしてる事をご存知ないと思ってました」
 「どうしてですか?」
 「弟さんが、ぼそっと言ってましたので。『兄には言ってないです』と。
それに、西田先生から連絡ありました。自分が話したと」
 「そうですか…」


 「我が校では、スカウトされて来る生徒と、勧誘されて来る生徒と、自分から希望して来る生徒が1:5:4の割合で居ます。スカウト生徒にはしないのですが、勧誘されて来る生徒と自分から希望して来てる生徒には4月、5月、7月、10月に個人面談と三者面談をします。
弟さんは3年生なので、進路をはっきりと決める時期になります。
こちらが4月にした個人面談の本人の希望です」

そう言って、1枚の紙きれを見せてくれた。
 「ご覧の様に、東響大学体育学部が希望先です。
一昨年の1年生の時に2回戦まで行き、昨年の2年生の時は1回戦落ちとはいえ、2年続きで全国に出場されてます。今のペースでいけば、この夏も全国に本戦出場できます。そのまま希望通りの体育学部へ入学できます。
体育学部の中には多種にわたる学科がありますが、それを決めるのは夏休み明けです」
 「本人が決める事ですよね?」
 「最終的にはそうです。丁度いい機会なので、時間がよろしければ2回分の三者面談をさせて貰いたいのですが、よろしいでしょうか?」
 「はい、良いですよ」
 「明日でもよろしいでしょうか?」
 「今日でも」
 「申し訳ありません。今日はこの後、二組の方の三者面談が入ってますので」
 「そうですか」
 「明日、朝練が終わったら連れてきます。12時にお越し願えますか?」

その時に気が付いた。
そうか、肝心の祐樹が居ないと話が進まない。
この先生は、確実に祐樹が居る時間帯に面談したいんだな、と。

 「そうですね。祐樹が居ないと話になりませんよね」

 「はい。明日は、この教室でやります。よろしくお願いします」



翌日。
担任は朝練の終わった祐樹を連れて教室へ入ってきた。
祐樹は俺を見ると回れ右して帰ろうとしている。何かを言ったのだろう。担任の言葉に頷き、祐樹は大人しく椅子に座った。
5月と7月の2回分の三者面談は無事に終わった。
祐樹のへたばった声が聞こえる。
 「お腹すいたー」
 「お疲れ様。明日は部活ないからゆっくりして」
その言葉に立ち上がり礼をしている。
 「ありがとうございました」
 「うん、また明後日ね」
 「はい、失礼します」


俺も、担任に帰りの挨拶をする。その時に、教えてもらった言葉に驚いた。
なんで、そんな事を言うんだ。
でも、効果はあったけどな。

憮然とした感じで二人揃って学校を出ると、祐樹に声を掛ける。
 「祐樹、昼飯、一緒に食べよう」
何も答えないが聞こえてる筈だ。
なので、もう一度。
 「祐樹、俺も昼飯まだなんだ」

肩を触ろうとしたら、大きな声を出された。
 「触るなっ」
 「ゆ……」


 「あー、力、入んねえ…」

そう呟くと、祐樹は早足で何処かへ行こうとしている。
後を追いかけてると駅前に着いた。
商店街や色々な店が並んでる。
それに、ここからだと昨日から泊まってるホテルにも近い。
帰りがけ、担任から教えてもらった言葉を掛けてみる。
俺が言っても効果はあるのかどうかは疑わしいが…。

 「祐樹、俺の顔を見なくても良いから一緒にご飯を食べよう」

 











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とんでもない言葉を教えてくれた、斎藤先生。
果たして、兄の言葉は届いてるのでしょうか…。
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