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弟と兄 (22)

出張から学校に戻って来た小林道夫は先に校長室へ行き、次に養護室へと向かった。

さて、明日から新学期だ。
新入生や在校生への養護室からの便りを書かないといけない。
そう思い、椅子にドサッと腰掛ける。
机の上に色々と置かれてある。
それらを一枚一枚手に取り見ていく。
すると、一通の手紙が混じっている。
またか…、いい加減にして欲しいな。と思いつつ、手紙を開ける。

するとラブレターではなく、別れのレターだった。

え、誰からなんだ。と思い、封筒をひっくり返すが名前が書かれてない。
封筒の中には他にも入ってるみたいだ。
振り出すと、鍵が出てきた。
見覚えのある鍵だ。
しかも、この鍵に付いているチェーンは、俺が祐樹にプレゼントした物だ。
え、何だって。

もう一度、手紙を見る。
これはどういう意味だ。

真木との関係って…。
祐樹は、俺と真木の関係を知ってるって事か。
誰にも言わず、この1年間バレてもないのに。

祐樹が、ここに置いたのか?
いや、この出張中は生徒は立ち入り禁止のはずだ。それなら一体…。
ふと祐樹の担任の顔が浮かんできた。
あの担任は知ってるのだろうか。
たしか、西田だったな。
この時間は何処に居るんだろう。


教職員名簿を引っ張り出し、西田の名前を見つける。
あった、陸上部の顧問か。



グラウンドに向かって道夫は走る。
グラウンドの隅でストレッチをしてるのは何部なのだろう。
西田は何処だ?
キョロキョロと見まわしてると、サッカー部が練習してるのが見える。
その向こうに居た。
思わず声に出していた。
 「西田先生っ」


サッカー部の練習を邪魔する様に、グラウンドを突っ走る。
 「西田先生っ」

声が聞こえたのか、こっちを向いてきた。
 「おや、養護室の小林教諭、どうされたのですか?」

直ぐ言えない俺に西田は言ってくる。
 「普段、運動しない人が急に走ると腰にきますよ」
(もうきてる)と思ったが、何も言えないでいた。


息を整え、西田に聞いてみる。
 「西田先生、うちの弟は何処に居ます?」
 「この時間、3年生は体育館ですよ」
 「体育館?」
 「明日の入学式の準備をしてます」


すると、西田は小林養護教諭の持ってる物に気が付いた。
 「ああ、その手紙」
小林は遮っていた。
 「何か知ってるんですかっ」
 「大声出さないでくれます?」
 「俺の弟は何処です?何処に居るんですか?」
 「何でもかんでも知ってると思わないで欲しいな」
 「それなら知ってる事だけでも教えて下さい」


西田はサラリと言ってやる。
 「東京の高校に編入しました」
 
その言葉に驚いた。
 「何で東京に…。何時ですか?俺には何も言わずに…」
 「何時決めたのかは分かりません。学年末テスト期間に大会があって、テストが終わった日に言ってきたんだ」
 「え、俺には何も」
 「お兄さんには言ったの、と聞いたら複雑そうな表情をしていたよ。言ってないって」
 「何も…、何も聞いてない…」
 「昨日も聞いたのだけど、言えてないから手紙にしたって。
で、それを渡して欲しいって言われたんだ」
 「そんな…」


膝から力が抜けた感じで小林養護教諭はグラウンドにへなへなと座り込んでしまった。
 「もし良かったら、何が書かれているのか見せて貰えますか?」
 「これには…」

その時、気が付いた。
(見せれない。そうか、何が書かれてあるのかは知らないのか)


 「さよならって…、それだけです」

それだけしか言えなかった。












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西田VS小林の話。
勝敗は、どちらの手になるのでしょう。。。?

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