BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
2017年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年11月
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弟と兄 (9)

 「どういう意味?」
養護教諭は教えてくれた。
 「当の本人が自白した。打倒、陸部を胸に刻んでタックルして6区を、二人一緒になって下まで落ちた、と。」
 「そんな…」
 「啓が、言ったんだ」
 「え、啓が?」
その言葉に、田中は思わず言っていた。
 「嘘だろ、あいつサボったんじゃないのかっ…」

 「由貴は黙っていたが、本人が言ってるんだ。だけど、他の奴等はそう見えてなかった」
 「どういう事?」

俺が知ってる事しか言えない。
そう言いながら、養護教諭は小林の身体を診ていく。

 「ウォーミングアップもせずに、木の裏で寝てたらしい。そこを6区担当の監督、ま、お前等の顧問に見つかり、追い立てられ起こされたらしい。
寝起き、直ぐにタスキを渡されたが何もしてないんだ。
そのまま足をもつらせ転げたみたいだ。その拍子に近くに居た陸部の由貴と一緒に麓まで落ちたって、監督してた顧問が教えてくれた」

そこで区切り、低い声を出し睨んでくる。
 「真木、俺は許さないからな」
 「俺は…、俺が、あいつ等に言ったのは陸上部に負けるな。アンカーは俺だから、お前等はコンマ01でも良いから早く走れ、と言ったんだ。こんな…、こんな事になるだなんて…」
 「それじゃ、お前はこいつをこんな目に合わせてないと言うのか?」
 「俺じゃないっ。俺がするわけないだろ。1位になったらって約束したのに」 
 「1位になりたいから」
遮ってやる。
 「俺じゃないっ。こいつだよ、この田中だっ」

そう言って、真木は田中を指差す。
 「こいつが小林にぶつかり、そのまま…」

田中は養護教諭に噛み付く様に言う。
 「下り坂でスピードを出して走ってたんだ。それを止まらすなんて出来っこないだろ」
 「コントロール出来てない証拠だ」
 「何を」

真木は声を掛けてやる。
 「田中、俺何度も言ったよな。謝る事をしろ、と」
 「小林になら分かるが、このデカい図体の奴にする必要は無い」


 「ほら、祐樹。終わったぞ」
 「ありがとうございます」
 「ほら、これに着替えろ」
そう言って、デスクの最下段から紙袋を渡してきた。
 「え、これって…」
 「念の為に置いてるんだ」
 「ありがとう。カーテンの向こうで着替えてきます」
 「ああ」


真木は田中に言ってやる。
 「ほら、田中」
 「なんだよ」
 「お前、小林に言ってないだろ」
 「あ・・、悪かったな」
 「お前ね…」

(なんたる言い草だ)と思いながら、養護教諭に手を指し示してやる。
 「で、こっちにもだ」
 「だから、なんで白衣野郎に」
 「小林の兄貴だ」
 「へ……」


弟から白衣を返され身に付けると、名札をサッカー部の田中に近づけてやる。
 「読めるか?」
 「はい…」
 「読んでみろ」
 「こ、こばやしみちお…」

 「よく読めました。俺の弟を崖の下に突き落としてくれたんだ。それなりの事をしてもらうからな」
そう言って、次に真木を睨み付ける。
 「真木」
 「はい…」
 「絶対に許さんからな」
 「…1位になれなかったからなあ」
 「約束もそうだけど、なぜ未然に防げなかった?」
 「ごめんなさい…」
 「たとえ卒業しても、俺は許さない」

その睨み顔は般若のようで怖い。真木は田中に八つ当たっていた。
 「田中、後で覚えてろっ」


その場を和ませるかのように、小林は明るめの声を出す。
 「お待たせっ」
 「帰り支度をしてこい」
 「クラブと担任に声掛けてくるので遅くなると思うけど」
 「分かった。待ってるよ」
 「はい。それでは真木と田中も連れて行きますね」
 「ああ、分かった…。えっ、連れっ」


目の前に居たサッカー部二人は、弟の祐樹が連れて廊下に出していた。



小林は真木と田中の手を引っ張って養護室を出た。
  「一応、怪我の様子を診て貰え、と言われたんだけど…」
という田中の一言に、小林は即答していた。
 「何時まで経っても診て貰えないよ。怒られるばっかりだ」











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おや?おやおやおやおや…
見事に短時間で、兄の毒舌からサッカー部二人を救い出したね。
さすが、祐樹君(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ
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