BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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年齢も国籍も関係ない、欲しいのは一言だけ 後編(3)

誰かの声が遠くから聞こえてくる。
 「ジュン。待てよ、おいっ」
 「ベーだ。本当に意地悪なんだから」
 「ジュンッ」

 「へえ、君がジュン君なの?」

 「え、誰?」
 「初めまして。オーナーをしているツトムの父親のジョージです」
 「初めまして。ジュン=マイク・フクヤマです」
 「ヒロから聞いてるよ。ジュンをよろしくって」
 「え、ヒロから?」
 「そうだよ。ヒロとは大学が一緒で、よく遊んでいたんだ」
 「そうなんですか。あ、それならショウとも知り合いですか?」
 「ショウって懐かしい名前だな。最近は会ってないけど、放浪癖は直ったのかな…」
 「あ、知ってるんですね。この夏はオーストリアに行く、と連絡がありましたよ」
 「へえ、近くに来るのか。それなら会いたいな」
 「伝えておきますよ」
 「それならお願いしようかな。ジョージ・イサカが会いたがってる、って」
 「はい、伝えておきますね」

ジュンの隣に居た人も言ってくる。
 「初めまして、203号のトニーです」
 「トニーって言うんだね。オーナーをしてるツトムの父のジョージです。よろしく」


二人揃ってお辞儀をしてフラットを出ていく。

可愛い。
ヒロが言うだけあって、本当に日本人と見間違える程の黒髪と黒目の持ち主だな。
そういえば、近くのGPに知り合いが居て、その人に近況報告を頼んでるとか言ってたな。
行ってみようか。

羽田で買った手土産を持って、近くのGPに行く。
近くに居たのは女性なので、彼女に声を掛ける。
 「アロー」
 「アロー、今日はどうされました?」
 「近くのフラットのオーナーをしているツトムの父です。フランスに戻って来たので、ご挨拶に伺いました。」
 「あの…」
 「ドクター・フクヤマからお伺いしたお子さんと話してきました」


そう言うと、奥に居た黒髪黒目をした目鼻立ちが整っている日本人男性がこちらに向かってくる。
 「どの様なご用件でしょうか?」
 「私は会社を辞めて戻ってきた。福山博人に連絡つけて貰って構わない。
ジョージ・イサカがフランスに戻って来た、とね」

暫らくお待ち下さい。
そう言って、その男性はコンピュータを操作している。
 『…はい』
 「眠そうな声だな。画面も暗いし、電気ぐらい点けろよ」
 『何だ、シゲかよ。こっちは深夜なんだよ。一体、どうした?』
 「その声は、ユタカ?」
 『そうだけど…』
 「なら、丁度良い。ジョージ・イサカを調べてくれないか」
 『今すぐ?』
 「ああ、今すぐだ。当の本人は福山博人に連絡つけて貰っていい、とさ」
 『…ジョージ・イサカ、ね』


数分後、パースから連絡が着た。今度は画面は明るくなってるので顔が見れる。
 『ジョージがフランスに戻ってるって、本当か?』
 
誰だ、この顔は。
 『だから待って下さいって、言ってるでしょ。
 - ジョージは、そこに居るのか?
だから…。ああ、もうっ!
シゲ、そいつはそこに居るのか?』
 「ああ居る。待ってろ」


どうぞ、と言われコンピュータ画面を覗くと、懐かしい顔がある。
 「ヒロ、久しぶりだな」
 『おー、久しぶり。1年前にも言ったが、老けたなあ…』
 「なんだよ、それ。そっちは相変わらずの童顔だな」
 『青春してんだよ。こら、何を笑ってるんだっ』

画面を挟んだフランス側と、画面の向こうでは苦笑と失笑が漏れている。

 「それはそうと、ヒロの隣に居る奴は誰だ?」
 『ん、彼は、ここのお抱えのヤリ手コンピュータ技師だよ』
 「ふーん…」
 『で、どうしたんだ?』
 「いや、ついさっき、潤君と会ってね。挨拶したんだ」
 『大学卒業したのだけど、就活なんてしてないから…って言って。もう一度フランスへ行って何かを探したいと言ってね』
 「勉強好きなんだな。そんな気を受けたよ」
 『勉強というより、興味が出てきたんだと思う』
 「興味…」
 『ジュンの父親もそうだけど、気になったらとことん突きとめるタイプだから。やりたくない事には絶対にしない奴だから両極端なんだ』
 「へえ、そうなんだ?」
 『親子揃って、そういう所は似てるんだよ』

その言葉に、画面の向こうのコンピュータ技師と、フランス側の日本人男性はうんうんと頷いてる。
 「そっか、教えてくれてありがとう」
 『フランスに戻っても、元気でやれよ』
 「ありがとう。ヒロも元気で」
 『ありがとう』


そう話してると、何かを受信したのか。
日本人男性は、コピー機に近寄って行く。
数十枚あるのだろうと思える程の厚さの用紙を持って、近付いてくる。
 「受信、完了」
 『それで全部だから』
 「サンキュ。起こして悪かったな」
 『ほんとにな』


そう言うと、通信は切れた。

その男性は言ってきた。
 「井坂ジョージ=敦彦さん。
貴方のデータは拝見させて頂きます。
今後の付き合いというのもありますので、それはご理解頂きたい。
それに、こちらはGPです。医療関係の事なら相談に乗りますので、ご安心ください」

その言葉の裏に潜んでいる意味は、私に出て行けと言ってる。
 「そうですか。それなら安心です。これからよろしくお願いします」


そう言って、GPを後にした。
しかし、あの数分の間に私のデータを全て受信しただと?
出来るわけないだろうに、とんでもない事を言うヤブ医者だな。
だが、私はジョージ・イサカとしか言ってないのに、フルネームを言い当てられるとはね。


ジョージは知らなかったのだ。
それは、博人も同じだった。

ジュンの父親である友明を中心とする10人と、このGPに居る日本人ドクターの事を。
調べようとしても調べることが出来ないのは、パースに居るお抱えコンピュータ技師が組み直したセキュリティプログラムにデータがあるからだ。
ハッキングも出来なければ、パスワードを破る事も出来ない。












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本当に繋がりましたね。
その瞬間(?)のお話でした(チャンチャンッw)
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