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年齢も国籍も関係ない、欲しいのは一言だけ 後編(1)

プー…、プー…、プー……。


お父ちゃんから連絡があった。
 「今、羽田に居る。3時間後のフライトで戻る」
 「は?3時間後って…」
 「あそこの部屋で良いよ」
 「あそこって、まさか事務室の?」
 「そうだよ。荷物も少ないからね。迎えも必要ないから」
 「え、ちょ、ちょっと待って」
 「それじゃ、後で」
 「まっ…」

プツン…と、切れた。

俺は、パニクってた。
え、3時間後に戻ってくるって…。
3時間後?
いや、羽田に居るって言ってたよな。
日本時間で3時間後のフライトという意味か。
あ、それじゃ、明日の朝に着くのか。


俺はクリスにお願いしてみた。
 「ねえ、クリス。お願いがあるんだけど」
 「なあに?」
 「明日、お父ちゃんがこっちに戻ってくるんだ。一緒に迎えに行って貰いたいんだけど、車出して貰える?」
 「お父ちゃん…」
 「うん、俺のお父ちゃん。あ、俺のダディ」
 「ジョージが?」
 「うん。明日、こっちに戻ってくるって」
 「ビザ?」
 「ノン」
 「パスポート?」
 「ノン」

暫らく考えてたクリスは笑いながら言ってきた。 
 「日本イヤになったとか?」
 「ノン」
 「ああ、良かった」
 「離婚したんだ」
 「へえ、そう。離婚ね……。ええっ、離婚?ジョージが離婚したの?」
 「ウィ」
 「嘘でしょ…」
 「で、明日。一緒に空港に迎えに行って貰いたいんだ」
 「あ、それで車ね。ウィ、もちろん良いよ」
 「ごめんね、よろしく」



翌日。
俺はクリスの運転で空港まで迎えに行った。
お父ちゃんは驚いてたが、苦笑している。
 「迎えは要らないって言ったのに」
 「いや、だって必要だよ」

 「クリスも、ありがとう」
 「いえいえ、お帰りジョージ」
 「ただいま」


そして、車はフラット行きではなく、違うルートを取っていた。
 「あれ…。クリス、どこに行くの?」
 「カトリーヌのとこだよ」
 「まさか、そこから親戚の家に行くとか?」
 「そうそう、ツトムが戻ってきた時と同じルートだよ」

そう言って、墓参りを済ませた俺達は、親戚の家に向かった。
お父ちゃんの言葉は、皆を驚かせていた。
まあ、「離婚して戻って来た」なんて言うんだから、驚くよな。


その後、フラットに戻るとスーツケース2個をトランクから取り出し、自分で転がす。
60歳を超えてるんだけど、身軽な感じを受ける。
何かを思い出したかのように言ってきた。
 「あ、そうだ。潤君は、どうだった?」
 「え、潤君って…」
 「ヒロの…、ああ、いや福山君」

その言葉で思い出した。
 「ああ、オーストラリアのジュンだね。彼は卒業したのだけど、もう1回大学生をするんだと言って、この7月末から再度来てるよ。それに夜間の部で、調理師専門学校にも通ってるんだ」
 「へえ、そうなんだ」

俺は素直に言っていた。
 「可愛いね、あの子」
 「彼はね、鞭使いだよ」
 「鞭使いって、何?」
 「ドイツの高校に行って、鞭使いをしてた筈だよ。ドイツでは鞭は必須だと教えてくれたんだ」
 「その知り合いって、お父ちゃんの知り合いなの?」
 「そうだよ。福山博人って言ってね、大学の時、同じ大学だったんだ。あいつは医学部だったけど、同期で卒業したんだ」
 「へえ…」

 「一時は、ヒロと一緒に単車を転がしていたんだ」
 「それって、もしかして」
 「『ショウ』という暴走族の一員だったんだ」
 「お父ちゃんが?」
 「そうだよ」

驚きの連続だった。
もう、これ以上何か言われても驚かないぞ。

お父ちゃんの呟きが聞こえてくる。
この年齢になると乗らないから単車も売ったし、何も縛られることもなくなったな。

その呟きにも驚いた。
え、あの家に単車なんてあったっけ…?
それよりも、これからどうやって生活するのだろう。気になったので聞いてみた。

 「あのさ、」
 「何だ?」
 「会社はどうしたの?」
 「大丈夫だよ」

その言葉を聞けてホッと一安心した。
だけど、次の言葉で驚いた。
 「在宅ワークで仕事してるんだ」
 「在宅ワークって…」
 「インターネットがあれば出来るんだ。このフラットって、ネットOKだろ?」
 「うん、OKだよ。それに繋がってるよ」


 「元々は私が継ぐはずだったんだ。お前は楽しめる事をしろ。
高校は卒業したけど、大学行きたいだろう」
 「俺は勉強嫌いだから」
 「まあ、そんなに頭が特別良いという部類では無かったからな…」
 「そうだよ。それに大学行ってなくても楽しんでるのだから」
 
 「何かしたくなったら、すれば良い」
と、お父ちゃんは言うと事務室へ入って行った。












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お待たせいたしました。
1ヶ月半ぶりの『年齢も国籍も関係ない、欲しいのは一言だけ』の後編になります。

いきなり連絡を貰った勉はプチパニック気味…。
帰国してきた勉の父親は、どういうつもりなのでしょう?

 
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