BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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サドなアイツと俺 (30)

約5ヶ月ぶりのフランス。
9月にはフラットの目の前にある大学へ通う。

何が得意なのかよりも、何をしたいのかを見つけたいから。
素直に話すとダディは許可してくれた。
ドイツでも良いけど、フランスのフラットのオーナーは日本人とのハーフで高校までは東京に住んでいたという事を知ってるとダディは言っていた。
そうだね、普通は調べるよね。

そして、マサはダディに話してないという事も分かった。

フラットの目の前にある州立大学の国際情報学部システム科に3年間の留学。
コンピューターはユタに教えて貰っていた事もあり、7月末の編入試験にも合格した。
まあ6ヶ月間居た大学だしね。

普通なら留学生はバイト禁止なんだけど、フラットの1階にあるし、店の忙しい時だけの手伝いという形でバイトをさせて貰っている。
そしてフラットの近場にある調理専門学校。
入学試験でドイツ料理を作ったら、見事合格した。
昼と夜の2コースがあり、夜間の部に通う事にした。
なにしろ昼間は大学生だからだ。

さあ9月からは忙しくなるぞ。
この8月でトニーへの気持ちを決着つけないと。
8月も1週間を過ぎ、意を込めてトニーの部屋へと向かった。


コンコンッ。

ノックをしたが、何も応答がない。再びノックをする。

コンコンッ。

この時間は居る筈だ。
それとも、ドアスコープを覗いて居留守を使ってるのかな。
俺だと思って、出てこないのかもしれない。


そう思うと悲しくなり、俺はドアに向かって喋っていた。
面と向かって話せるのか分からないのでリハーサルのつもりで。
 「トニー。あの時はごめんなさい。
俺、自分の事しか考えてなかった。意地悪してくるのも愛情表現の一つだよ、とアドバイスを言われて納得したんだ。それ思うと、俺ってトニーに何年も愛されてたんだな、と思ったんだ。
今更だけど……、本当にごめんね」

いや、これだけだと伝わらないかも。
もう一言付け加えた方が良いかな。
 「あ、あのね…、俺、9月から大学生なんだよ。
大学に通いながら、夜は近くの調理専門学校に通うんだ。
忙しくなるから、あんまり会えなくなるだろうと思う。
3年間、居るから…。その間には、何回かは顔を会わすことがあるかもしれないね」

いや、まだ伝えたい事はある。
 「喧嘩別れという形になったけど…。
俺はね、トニーの事が好きだよ」


こんなのじゃ駄目だ。
出直してくるか。
 「やっぱり顔を見て言えないや。
トニー、俺はやっぱり駄目だ。意気地なしだ。
ねえドア君、今、俺が言った言葉をトニーに伝えてあげて…。
無理だと思うけど…」


自分の部屋に戻ろうと振り返ると、トニーが居た。

やばっ…。
気が付かなかった。

何か言わないといけないのは分かってる。
分かってるのだけど、口が開かない。
さっきまでは喋れていたのに…。


トニーも黙っている。

(何時から居たのかな?気配を感じることが出来なかった。
リューゾーに知れたら稽古のやり直しと言われるんだろうな…)

トニーの顔が見れずに俯いてしまう。
やっぱり今は無理だ。
2,3日経ってからにしよう。


そう決めると、トニーの横を黙って通り抜け階段を上っていく。
2月まで使っていた部屋は3月に人が入居してきたらしく、俺の部屋は3階になったのだ。












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トニーの顔を見て言えない、意気地なしなジュンです。
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