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サドなアイツと俺 (12)

そう、そのクリニックのジュンは国外滞在中だったのだ。
なにしろ、帰国子女枠で大学に入学したのだから。
入学して2ヶ月後にはシドニーへ、半年後の2月末にはドイツへと行っていた。
そして、そのドイツでの論文が良かった為、1年スキップして、3年生になったのだ。
3年生になると2ヶ月後にはシドニーへ、後期の2月中旬には日本へ居たのだ。

高校時代はドイツに留学していたのもあり、スキップの対象となる頭の持ち主だったのだ。
さすがサメ(キョージ)とフランツが仕込んだだけのある人物だ。
そう言うと、2人とも即答するだろう。
 「パースでは、文武両道の奴が側に居て教えてたからだ」と。
実際、フランツはそう言っていたのだ。

だから、トニーがどんなに頑張って探しても学内では見つからないのだ。
しかも、セキュリティとかは類を見ない程の人物がハッカー等から守ってるのだ。
出来るわけが無い。

今時点、ジュンは日本に滞在している。
キョージの義兄だと言う人物のリョーイチと出会い、ドイツの近況を話したり、父親や父の仲間たちの大学時代の話をしてもらったりと、過ごしていた。
そして、リョーイチが交通事故で死んだ時、人が死んでいくのを見るのは辛い。
そう思ったものだ。
特に、トーキョーでは道路が狭く、交通事故が起きるのは当然だと思ったものだ。


4月中旬にダディとヒロがパースに戻ると、ダディの弟の家に移り住むようになり、ジュンは生まれて初めて孤独を感じた。
母もいない。
父はパースで、自分には兄弟もいない一人っ子。
それでも、今迄は孤独なんて感じなかった。

従兄と言っても、今迄は連絡の取り合いも無かった。
せめてもの救いは、従兄従姉のうち二人は男だという事だ。
叔父さんは優しいが、小母さんは優しく振る舞っているのは見て分かる。
だから、朝食は一緒に食べても夕食は外で食べる様にしている。
少しでも、顔を会わさない様にしている。
こういうのは、人が死ぬよりも辛いものだ。
あと、数ヶ月の辛抱だ。


ドイツではキョージやフランツが親身になってくれた。
去年、半年間だけどドイツへ行った時はフランツは喜んでくれた。
ダディ、如何したら良い?
やっぱり日本では無理だ。
仕事をするのなら、オーストラリアかドイツが良いな。
あ、でも…、この9月にはフランスだっけ。
来年の今頃は、パースの大学に戻るし。
日本での論文を書かないといけないのだけど、歴史とか経済等を頭に入れてないと…。
どうしよう…、これ以上、この家には居れそうもない。


なんて事をぼんやりと考えて歩いてると声を掛けられた。

 「潤?どうした?」

ここは日本だ。
潤、という名前の人間はたくさん居る。
そう思っていたら後ろからハグされた。
 「こーら、無視しない。こういう所まで散歩か?」

仕方なく顔を向けると、ダディとヒロの知り合いだった。
たしか、名前は…。
 「リュー…」
 「リューではなく、龍三先生。ほら、言ってみろ」
思わず抱き付き、言っていた。
 「俺、お腹空いた」
 「へ?」
 「あ、あの、ごめん…。なんか、顔を見たらホッとして…」
龍三は言ってくる。
 「友の弟の家では食べないのか?」
 「モーニングは食べてるよ。でも、ディナーは…」
 「なんで?バイトでもしてるのか?」

龍三は潤を自分の家に連れて来て、夕食を御馳走してくれた。
日本語は接続とか助詞とかが難しく英語で話す事を了解貰って話し出す。その間、龍三先生は黙って聞いてくれた。
聞き終わったら、龍三は言ってくる。
 「好きな奴はいないのか?」
 「好きな…って、どういう意味?」
 「色々な意味があるが…。シドニーやドイツに居た頃は寂しくなかったのか?」

そう聞かれ、素直に返した。
 「ドイツには高校の3年間居たし、キョージやフランツと楽しく過ごしていた。
でも、キョージが死んでから去年行った時は、フランツは寂しそうだったけど…。
本宅で一緒にね、と言ってくれたんだ。
で、シドニーは3ヶ月程だったし、部屋を3人でシェアしてた。
寂しいよりも楽しかった。
でも、ここでは…。
叔父さんと子供たちは優しいけど、小母さんは、なんか怖いんだ。
それでも、ダディとヒロと一緒に、4月までは一緒に居たんだけど、その方が楽しかった。

なんかね、俺だけ除け者なんだ。
だから、モーニングは一緒に食べても、ディナーは、ずっと外で食べてる。
顔を会わすと怒られてる気がするんだ。
まだ外で食べてる方が気が楽なんだ…」

 「潤は飯は作れるのか?」
 「うん。中学に入ってから作りだしたよ」
 「ドイツ料理は?」
 「簡単なのだったら作れるよ」
 「なら、ここで一緒に暮らさないか?」
 「ここ?」
 「そう、ここ。私の部屋で、だよ」
 「え?」


龍三は言ってくる。
 「誰かと一緒に暮らすという事は、気を使うものだ。
それに、話はつけてやるよ。だから心配するな」
 「何か条件ありそう…」
その言葉を聞いた龍三は笑い出した。
 「わはははっ…。さすが友の子供だな」

ひとしきり笑った龍三は、こう言ってきた。
 「条件と言うより、残り3ヶ月でも、お前の運動神経を見てやる」
 「それって、ジュード―や少林寺をするって事?」
 「ああ、そうだ」
 「良いけど…。俺、ジュードーと少林寺はヒロとダディから教えて貰ったんだよ」

すると、龍三はこう返してきた。
 「友は直ぐに蜘蛛になってたからな」
 「雲?」
 「そう、蜘蛛。」

潤のきょとんとした顔に、龍三は英語で返してやる。
 「a Spider」
 「は?え、何?ダディがそれになるの?」
 「ああ、そうだ。」

まだ納得してない怪訝そうな表情をしている潤に付け加えてくれた。
 「言っておくが、蜘蛛の様に天井とか壁を自由に動き回ってた、という事だからな」
納得したのだろう、安心げな表情をしていた。
 「ああ、なるほど。驚いた…。日本語って難しいね」

 「お前も蜘蛛になってるのか?」
 「No!とんでもないっ」
 「まあ良いさ。私が、お前のを直してやるよ」












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は~い、僕は日本に居ますよ~(by ジュン)

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Comment

No title
編集
あら、潤(日本に居るなら日本語ね)。

口だけ贅沢にならないかなあ。和食って、何気に凝ってるから。
こちらではズワイガニの雌、香箱蟹(こうばこがに)が出回ってます。鰤もそろそろ脂がのって美味しくなる~。大根だって甘くなるし。

気の置ける人が居ない日本で、親子3代(?)お世話になるのか。
龍三せんせ、ご縁がありますね(◍>◡<◍)。✧♡
2016年11月26日(Sat) 11:23
Re: No title
編集
ますみさんへ


はい、僕の名前は「潤=マイク・福山」ですから。
日本に居る間は、本名の潤です。

ほんとに、日本って外交関係の差っていうのか、それが他の国とは違いますよね。
まあ、分からなくもないんですけどねー
でも、美味しい料理に舌鼓を……
おっと、それでは後ほど((((((((((`▽´;)さささ



ったく、この親子は、本当に出しゃばり好きですね(-_-;)
龍三先生も呆れてますよ。

この先生にお世話になってるのは、親子2代ですね。
父親の友明と、その子の潤ですから。
博人は龍三先生にとって主人格の人だから、世話をするのは当たり前ですね。


美味しいもの食べるの好きな私は、蟹に鰤にと目が無いのですが・・・
いかんせん、今年は高いですっ
大根を使っておでんとかブリ大根とかしたいのに、大根も高いから買えやしないの
( p_q)エ-ン
丸々1本が160円もするだなんて…


御馳走を食べてる夢を見て凌いでおきます。
(*≧m≦*)ププッ




2016年11月27日(Sun) 10:02












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