BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
2017年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年11月
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サドなアイツと俺 (1)

今日も起きてこない父親を起こしに行く。
ったく、寝坊助なんだから…。

 「ダディ、起きて!」

…………。

 「ダーディー、お・き・て!」

…………。

 「トモ―!起きろっ!」

起きてこないどころか、目を覚まそうともしない。
隣で寝ているヒロも同様だ。
ったく、この二人はー…。

 「メシ!ご飯作ってよっ!」

…………。

それでも父親は起きてこない。
この野郎…、と怒りMaxになろうとしている時に声が聞こえてきた。
 「煩いなー…」

ヒロだ。
 「ヒロ。ダディが起きてこない」
 「ああ、なにやら遅くまでやってたからな。寝さしとけ」
 「えー…、ご飯」
 「分かったよ、先に行ってろ。顔洗ったら行くから」
 「え、ヒロが作るの?」
 「簡単な物になるけど…」

その言葉を聞くと、言いださずにはおれなかった。
 「まさか、また、おにぎり?」
 「・・・嫌なら自分で作れ」

作れるわけないでしょ、と思いながら素直に言う。
 「お願いします」
 「素直でよろしい」


僕のダディはトモ・ボスと呼ばれてる日本人だ。
そして、ドクター・ヒロは一緒に住んでる。
なにやら、ヒロは友の左目らしい。
この間、13歳になった誕生日に教えてくれた。
トモは…、ダディは左目を失明してると。
そして、ヒロは、トモの左目代わりとして一緒に住んでいる。

それを聞いて、僕は悲しくなった。
左目を失ってる事に対して、もっと早く言ってくれれば良かったのに。

でも、それを言う勇気が無かったと言ってくれた。
それもそうだね。
そんな大事な事を、まだ小学生みたいな子供に言っても無意味だよね。
ダディ、ごめんね。

でも、ヒロは左目代わりだけという理由で住んでるわけでは無い筈だ。


待ってたらヒロがキッチンに入ってきた。
ヒロの料理は、
おにぎり
トースト
の二つだ。
料理とは言えないが、何も出来ない僕よりはマシだ。
でも、今朝の食事はトーストだった。
焼いたトーストの上に、レタス、トマト、キュウリを乗せて、その上にスクランブルエッグを置きケチャップを掛ける。
おにぎりよりマシだ。
それでも僕は言っていた。
 「ありがと、ヒロ。レパートリー増やしてね」
 「どういたしまして。ジュンもトーストを焼くのは出来ると思うよ」
 「うん、今度してみる」

ダディと違って、ヒロは天然なので優しく返してくれる。
これがダディだと、思いっきり違う。
 「それ言うなら、自分の食べたい物を作ってくれる奴に作って貰え」
だけど、ダディは色々な国のご飯が作れるので文句はない。


食べ終わると、大きな声が聞こえる。
 「ジューンッ!」

ジンだ。
 「行ってきますっ」
 「ああ、気を付けて行ってらっしゃい」


僕は、日系のオーストラリア人。
この8月で13歳になり、今は中学2年生になった。
名前は潤=マイク・福山。
マイクと呼ばれたり、ジュンと呼ばれたりしているが、ジュンと呼ばれる方が多いかな。
マミィは居ない。
僕が1歳の時に事故で死んだと教えてくれた。
でも、トモが母親の代わりをしてくれてるので問題はない。
それに父親は、僕の周りにたくさん居る。
ヒロもそうだが、クリニックのドクター連中もそうだ。


仲の良いジンは、父親が死んで母親だけだ。
同じ片親というのもあり、何かと一緒に居る。
母親が居ないという理由で、しょっちゅう虐められている僕だけど。
同様に、父親が居ないという理由で、ジンもしょっちゅう虐められている。
自分一人だけではない。
その気持ちで我慢してきた。
だけど、ダディの言葉で我慢しなくなった。
 「誰でも死ぬんだよ。それが早いか、遅いかの違いだけなんだ」

その言葉を聞いた時、思わず抱き付いていた。
その時、僕は初めてダディに虐められてる事を言ったんだ。
すると、ダディも小さかった頃は虐められていたんだ、と教えてくれた。
信じられなかった。
でも、ダディはこう言ってきた。
 「潤。人間は誰でも死ぬんだ。
出来るなら、ダディより早く死なないでくれ」
その言葉に大きく頷いた。
 「うん。エミリーより、ダディよりも長生きする」

ダディは微笑んで、僕の頭を撫でてくれた。












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親子の語らいから始ります、この物語。
ジュンは同居人の父と、ヒロとの3人で暮らしてる。
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