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archive: 2018年07月  1/3

甥っ子コンプレックス (5) 

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 すると元気な声が聞こえてきた。 「あー、ここに居たあ」 「え、なんでマルクが…」 その声の持ち主はキョージとエドだ。 とにかくキョージは煩い。 ペラペラと喋り続けて”煩い”と言っても、しつこく話してくる。 エドは喋り屋では無いが、キョージの話し相手になり相槌を打っている。 「リューゾー、次は音楽の時間だよ」 「エドワール様、ヒロト様は、まだ今日の分は終わってません」 だが、ヒロトは既に道場の入り口...

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甥っ子コンプレックス (4) 

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 マドリーヌそっくりの子供。 本当に憎らしいほど、よく似ている子供。 今、ここには日本から文武を指導する為、親戚の子が集まっている。 そう、帝王学を学ばせる為にだ。 その子たちは5年ないし10年を、ここで暮らす。 直ぐ上の姉の子や、妹の子…と考えてると思い立った。ああ、そういう事か。残していったこの子供も後継者にするつもりか。冗談じゃない。誰が仲良くするもんか。 だが、その子はなぜか私に纏わりついてく...

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甥っ子コンプレックス (3) ヒロトとの初体面

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 マドリーヌが姿を消して3年後、その頃は、僕呼びを止めて私呼びにしていた。 そのマドリーヌから便りが届いた。 それには、こう書かれてあった。 『子供は男の子で、名前はヒロト。フルネームは、ヒロト=ヴィオリーネ・フォン・パトリッシュ=フクヤマ。日本人で、福山博人と呼ぶの。国に囚われることなく、優しく穏やかな人間になる様にと、名付けたの。マルク。ヒロを連れて行くから、仲良くしてあげてね』 何を勝手な事...

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甥っ子コンプレックス (2) イラついた時は狩猟

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 ある日、マドリーヌは話し掛けてきた。 「私、お腹に赤ちゃんがいるの」 突然の事で、暫らくの間は何も考えることが出来なかった。 だって、直ぐ上の姉と末っ子の妹は早くに結婚して子供もいるのだが、マドリーヌにはあれ以来なにも音沙汰が無かったからだ。マドリーヌは微笑みながら声を掛けてくる。 「マルク、喜んでくれるよね?」 「え…」 「何を呆けっとしてるの。あなたの甥っ子か姪っ子が生まれるのよ」 「誰の…」...

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最新作! 甥っ子コンプレックス (1) 

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 私には最も愛する女性がいた。 姉2人と妹に挟まれ、その一番上である長女のマドリーヌ姉様だ。 最もお母様に似ていて、大人しく立ち居振る舞い等も美しい。 物心がついた頃には、お父様が居ないので私がフォン・パトリッシュを背負っていくと決心したほどだ。そんな私をマドリーヌは見ていてくれたのだ。 「マルク、そっちに行っては駄目よ」 「僕も、皆と一緒に遊びたい」 「なら、私と遊びましょ」 「マドリーヌと?う...

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新作!! 『甥っ子コンプレックス ~君が居るだけで良いんだ』 (2018年度夏休み&お盆特別企画)

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いつも読みに来て頂きありがとうございます。新作です!エロ話はほとんどありませんが、マルクが主役ですもの。当然ですよね。うちの子紹介で『貴方の夢は何ですか?』で、皆に聞きました。その時、マルクは「ひ・み・つ」と答えました。 「だって、口にすると叶わないからね」と。その時、心の中に浮かんでいた言葉は、これでした。 「ヒロ、君が居るだけで良いんだ」 ~あらすじ~ドイツにあるフォン・パトリッシュ候のジュニ...

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出会うから別れがあるんだ ~あとがき&次作のお知らせ

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 いつも読みに来て頂きありがとうございます。  『出会うから別れがあるんだ』は如何でしたでしょうか? 前作のハッピー話に続き、今作は別れ話ですが。 それでも、今迄の自分にピリオドを打ち、新しい生活に突き進んでいく。 ウィルの葛藤を書きたかったのもあり、今回、書かさせて貰った次第です。 『俺様ボス~』シリーズの『あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい』という作品で、ジョンはウィルと再会を果たすのですが...

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出会うから別れがあるんだ (10) 最終話

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 フィルとジョンがシンガポールで食事をしているのを見たウィリアムは、背を向けた事で意識を逸らした。途端にアーノルドから声を掛けられる。 「ウィル、お前のはこっち」 「何が?」 振り返ると、たしかに自分のブリーフバッグはアーノルドが持っている。 あれ…、でも私も持ってるよ。そう思い、自分の持っている物はと見ると、黒いストラップが付いているブリーフバッグだ。これはアーノルドのだ。溜息を吐き苦笑していた...

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出会うから別れがあるんだ (9) 再会、だけど。。。

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 その視線の先に居るのは、フィルとジョンだ。 君たちは変わってないね。その笑顔だと2人の大好きな中華を食べてるのかな。本当に変わらないね。私は、これから生まれ故郷で暮らす。 もう、あんな所には戻りたくない。 ここシンガポールに居た間は、時々思い出していた。 君たちの顔が浮かんでくるんだ。 だけど、ここからは自分の人生だ。 新しく踏み出す。 私は過去を心の奥底にしまい、頑丈に蓋を閉める。 二度と開け...

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出会うから別れがあるんだ (8) 

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 あれから3年が経った。 ジョンは時々ウィルを思い出すようで、その度に私の部屋で寝ていた。 虐めは無くなっていないが、ジョンは泣くまいと必死に我慢しているのが見て取れていた。 そんな時、『御』とジュニアであるマルク様に呼び出され本宅に2人で向かった。 そこにはホワン様も同席されていた。 ホワン様がシンガポールマフィアのドンになられたと話してくれた。 「フィル、君も一緒にシンガポールに来て」 「え、い...

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