BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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弟と兄 (20)

翌日の日曜日。
 「あ、治先輩。俺、跳ぶから見ててね」
 「おー、俺の跳びを超えてみろ」
 「先輩は何センチ?」
 「バカやろっ」

頭を叩かれた。
 「いてっ…」

 「俺、1年の時はインハイで優勝取ったんだよ」
 「インハイで?」 
 「そうだよ。お前もインハイを狙ってみろ」
 「うしっ、目指すはインハイ」
 「今からでも遅く無いからな」

隣で俊平はボヤイてる。
 「いきなり居なくなって心配させたくせに、いきなり戻ってきての雨の中のインハイだったよな…」
 「それ言うなっ」


すると注意を受けた。
 「おい、そこっ。うる…、え、俊平?で、小さいのは治か」
 「あー、西田のじいちゃん、久しぶりっ。小さいだけ余計だよっ」
 「元気そうだな」
 「うん、元気だよ。西田センセーも元気そうだね」


長距離集団から声が掛かる。
 「おい、あれ見ろよ」
 「おー、あれは…」
 「懐かしい顔だなあ」
1人が近付いてくる。
 「これは、これは…、恥さらし眼鏡君」
声を掛けられた俊平は溜息吐いて応じてやる。
 「お前は、何時まで経ってもトゲのある物言いするよな」
 「眼鏡を外してたらバレなかったのにな」
 「そうだな。眼鏡外した方が良かったな、と今では思ってるよ」
 「今更だな。ところで、今日はどうした?」
 「ただの応援だよ」

その2人に向かって治は声を掛けていた。
 「俊平センセー、そろそろ座ろうよ」
 「そうだな。それじゃ」


 「あのチビは、まさか…」
 「あの雅か…」



一番、見に来て欲しかった人は来ずだったが、それでも祐樹は大好きな2人と再会し、連日通して見に来てくれてるのが嬉しかった。
だから、自分の目で、しっかりと目標地点を見据えることが出来た。


2回、軽く流す様に跳ぶ。

そして本番1回目。
少し力んでしまったようだ。
深呼吸して、本番2回目。


順調に成績を残し、ライバルは、あと1人。
(お兄ちゃん、真木。俺は、お前等とは違う。目指すは全国だ)


高校2年、小林祐樹。
跳びます。



 「…やったー!」
 「巾跳び、県1位だっ」



昼休憩になると、飛び入りタイムが設けられた。
その飛び入りタイムでは、治先輩が巾跳びを跳び、俊平先生は長距離を走った。
治先輩の跳びと、俊平先生の走りに見入っていた。



4年前の、インハイの日。
東京の高校からスカウトを受けた雅治は部の成績を引っ提げて編入した。
そして、この4月。
もう一人が東京の高校へ編入した。
編入先は、治と同じ高校であり、担任の卒業した高校でもある。

東響大学付属高等学校。

担任は言ってくる。
 「治は2年生の時に行ったんだ。
だから大学は選択する時期があった。
でも祐樹。
お前は3年生になるから大学は選択できない。
東響大学の体育学部だ」
 「構いません」
 「高校は寮生活になるが、大学はアパートか下宿先を見つけないといけないんだ」
 「はい」
 「まあ、俊平も居るし、治に聞いても良いから」
 「はい」
 「で、お兄さんには?」
 「まだ言えてないです」


あの日から目を逸らしているのだ。
それに、この時期になると、兄は県外出張で居ない。
3月20日から2週間、出張があるのだ。



 「元気でやれよ」
 「西田先生も、お元気で」












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そして、目出度く県大会1位と、インハイのシード権獲得の予備選を手に入れた小林祐樹。

そして、治も・・・
見事に、宿題を果たしたのでした。
ちなみに、本文にある俊平の言葉はこちらを参照ww
 ↓↓↓
君と一緒に・・・全国大会

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弟と兄 (19)※特別出演二人組のSSあります※

※特別出演二人組登場~※


土曜日はギリギリの成績で、なんとか100m走は8位入賞した。
こんなんじゃ、明日はどうなるのだろう。

昨日、養護室で見たことが頭の中をぐるぐると駆け回ってる。
声が掛かるが無視していた。
 「祐樹、何があった?」

誰だ、この声。
無視していたら後ろを振り向かせられる。
 「おい、ゆ」
 「煩いっ」
思わず叫び睨んでやった。
でも、次の瞬間、相手が誰なのか分かった。
 「しゅ、俊平先生っ?」

抱き付きたかったが、それを邪魔してくれる声がする。
 「抱き付くのは俺の方だろ」
 「煩いな、あんっ…、え、え、ええっ!治先輩、どうして…」
 「生まれ育った所だもん。それに春休みだし」


俺は治先輩に泣きついていた。
兄と真木の関係は誰にも言えないので、泣く事しか出来なかった。


泣き止むまで待ってくれて、先輩は言ってきた。
 「祐樹、東京に出てこい」
 「東京って」
 「俺だって、東京の高校に2年間居たんだ」
 「治先輩」
 「西田のじーちゃんは、まだ居る?」
 「長距離担当してるよ。それに、俺の担任してる」

すると、俊平先生は口を挟んできた。
 「あのクソ西田には世話になったからな。お礼返してやる」
 「今日は短距離だけだから。でも、明日なら長短、両方あるから居るよ」
 「それじゃ、明日、もう1回来ようかな」


俊平先生は短距離の顧問に近寄り、声を掛けている。
 「久しぶりー」
 「おー、眼鏡先生だ」
 「変わらん眼鏡だな」

俺は治先輩に東京の話を聞いていた。
 「俺が行った東京の高校は、部活の成績は8割で、残り2割は性格だな。
西田のじーちゃんも1年間居たんだってさ」
 「へえ、あの先生が東京の高校にねえ…」
 「明日も来てやるから」
 「ほんと?明日は巾跳びの決勝なんだ」
 「今日の昼からは?」
 「500と300だよ」
 「うし、見ててやる」


思いっきり泣けた事もあり、大好きな俊平先生と治先輩に見てもらえる。
そういうのもあり、なんか吹っ切れた気分だ。
500mでは惜しくも3位だったが、300mでは1位になった。
 「やったー」
 「さすが部長っ」


それを望遠鏡で見ていた俊平は呟いてる。
 「良い表情だな」

俊平は隣に座って見ている治に声を掛けてくる。
 「治、祐樹に何を話したんだ?」
 「明日は巾跳びの決勝だって言うから、俺は明日も来てやると言ったんだ」
 「へえ、それでやる気になったんだな」
 「泣いて悩みが吹っ切れたんだろうよ」
 「余計な事を考えてるとフォーム崩れるし、成績も伸びないからな」












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特別主演の2人、ご紹介~
 「えーとぉ、雅治です。大学生やってますが、この春休みには…、なんとっ!
宿題があります・・・。えーん…、宿題なんてしたくないよぉ…(泣)」
 「このバカと同棲している俊平です。大学の体育学部の教授をしてます。
おら、治。ちゃんと宿題しろよっ」
 「だって、だって…、一体、何を基準に選べばいいんだよ」
 「まあ、とにかく知ってる奴を…、って、あれって、お前にくっついてたチビじゃないか?」
 「え…、どこどこ?」
俊平の指差してる方を見てみると、たしかに見知った顔だ。
 「おー、あれは祐樹じゃんっ。俊平センセー、俺、宿題終わったよぉ」
 「選ぶだけでなく、引っ張るのが宿題だろ」
 「たしかに。祐樹に声掛ける」

はい、特別SSでした。

弟と兄 (18)

我が家は日本家屋なので、部屋の仕切りは襖だから鍵なんて物はない。

兄の襖を開くと、先に目がいくのは壁に貼り付けられている大判の写真。
それは、一昨年、俺がインハイで走った時の写真だ。
全国大会の時は、応援に行くと言って一緒に行ったものだ。

等身大のサイズに引き伸ばして貼っていた。
それを見ながら、俺は恥ずかしさもあったが嬉しくもあった。
その写真を見て、少しは慰められた。

机に近寄ると、ビニール敷きの下にはサッカーボールを蹴っている真木の写真が数枚、挟まれている。
 「お兄ちゃんが、なんで…」


俺は、もしかして裏切られてたのか。

真木との出会いを思い返そうとしていた。
真木は、去年の体育大会の頃から俺に接してくるようになった。
1年生の時は、宿敵部としか認識が無かった。
でも、俺を見てるようで見てない視線を寄越してくる時もあった。
あれは、俺を通してお兄ちゃんを見てたのか。


なんだか、泣きたくても泣けないや。
それに、ここは兄の部屋だ。
泣くのなら自分の部屋だ。


なんとかして自分の部屋に戻ったが何もする気が起きてこない。
着替えたくないのだが、習慣というのは抜けない。普段は上着を脱いでカッターシャツの上にジャージの上を着てるので、今も、その格好だ。
学校で、しかも養護室で、あんな事をするなんて信じられない。

その時に気が付いた。
 「お兄ちゃんは突っ込まれる方なんだね」


凄くショックで本当に何もする気が起きてこない。
布団を頭から被り、ベッドの上に座り込んでいた。


遠くから声が聞こえてくる。
 「ただいまー」


声が掛かり、襖が開かれていく。
 「祐樹、ただいま」
 「お、お帰り」
兄はずけずけと入ってくる。
 「なに、英語の教科書を広げたまま暗くなってるんだ?あ、分かった。今日のテストの自己採点をしてたのか」
英語の教科書がベッドの上に置いていたのを兄は手に取って見てる。
 「祐樹、どうした?」
 「あ…、何でもない」
 「クラブも良いけどテスト期間はテスト勉強しろよ」
 「明日と明後日は大会だもん」
 「ああ、そうか。応援行きたいが、1年生のテスト作りがあるからなあ。
行けなくて悪いが、頑張れよ」
 「うん」


台所に行ったのだろう、声が聞こえてくる。
 「晩飯はまだか。仕方ないなあ、今日は出前を取るか」



お兄ちゃんは、俺に見られていた事を知らない。
だから普通に接してくる。
でも、俺はどう反応すればいいのか分からなく、上の空だった。
そんな俺を見て、言ってきた。
 「そんなんだと、明日の大会はどうなるのかね?部長さん、しっかり走ってくれよ」
 「分かってるよっ、ただ気になって…」
 「まあ、今日のテストはもう終わったんだ。結果を待つだけだな」


お兄ちゃんは、俺の気持ちが分かって無い。
どんなにお兄ちゃんの事を思ってるのか。

 「もう寝る…」
 「お休み」
兄は微笑んで言ってくるので、微笑み返していた。
 「ん…、お休みなさい」












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明日、明後日の大会は、どうなるのでしょう。。。

弟と兄 (17)※性描写有ります。18歳未満&抵抗のある方はスルーして下さい※

※18歳未満&抵抗のある方はスルーして下さい in 養護室(in 学校)※
 ~小林弟の祐樹視点~


3月になると学年末テストがある。
問題は、そのテストではなく、土日を挟んでのテスト期間だ。その土日に大会があるのだ。

陸上部は他の部と違って一年を通して、ずっと大会がある。
俺は短距離だから冬の12月から2月までは何もなく休めるが、長距離はそうではない。
3月は記録会を始め、県大会などがある。


その県大会の前日の金曜日はテストが終わると、部活の練習をしていた。
練習が終わり、明日の用意をしていく。
傷口の洗浄をする洗浄液が無いので、養護室で注いでもらおうと本体を持って出る。
各部とも、擦り傷等の洗浄液は養護室から貰うからだ。
 「行ってきます」
 「よろしくー」


養護室に着き、ノックをしようとドアに手を掛ける。
なにやら先客がいるみたいだ。
でも、少ししか開けることが出来なかった。
だって、養護室ではサッカー部長の真木が養護教諭を押し倒しフェラしてたから。

 「ん…」
 「俺の…、みち…」


もしかして、2人はそういう関係なのか。
何も聞きたくもないし、見たくもない。
耳と目が拒否してるのが分かる。

2人はこちらを見向きもせずにヤッている。
その内、兄の声が喘ぎ声に変わってくる。
 「ん…、あ、ふぅ…」
 「はあ…、み、ち…」
 「イク…」
 「良いよ、イッテ」


本当に見たくなかった。
それでも目は釘付けになっていた。

兄のイッた満足そうな表情。
真木の「貰う」と言った言葉と表情。

真木は、兄の中に突っ込んでる。
兄は、とても幸せそうな表情をしている。

なんで…。
なんで、お兄ちゃんなの?


2人の声が聞こえてくる。
 「シャワー浴びるか」
 「この学校、プールと、ここしかシャワーないもんな」

そう言って、2人はカーテンの奥に消えていった。



お兄ちゃん、真木。
いつから2人は、こんな関係になったの…。


いつまでも立っていられない。
そう気づくとドアを閉め、部室へ戻った。
 「お帰りー」
 「ごめん、養護室開いてなかった」
 「ありゃ、ならもう少しして行ってみるか」
 「あれ、部長…」

 「ごめん、帰るから」
 「お疲れー」
 「また、明日」


帰宅した俺は、普段は目を向ける事の無い兄の部屋に入って行った。
15時過ぎ。
この時間は、兄はまだ帰ってこない。
17時に学校を出ても、20分弱で帰ってこれる距離にあるからな。












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そして、ここからが当の本題編です(←前振り長いのは、いつものこと(・・;)
ってか、お兄ちゃん、養護教諭っ!
養護室で、そういう事をするもんではありませんっ

弟と兄 (16)※描写・・・、有ります?※

それから2週間後。
由貴は個室から大部屋へ移った。
同時に、啓が毎日、見舞いに来るようになった。

連日の様に見舞いに来る啓に、由貴は聞いていた。
 「啓、お前、学校どうした?」
 「退学になったんだ。気にするな」
 「退学って…」
いや、気になるだろう。
自分の従兄弟が退学したなんて…。


その啓は2週間の自宅謹慎が解けた翌日。
学校に行って、担任の机上に置いて帰宅したのだった。
自筆で書いた退学願だ。
それは受理されず、啓は無断欠席扱いになっていたのだ。
それでも、啓は気にせず働いてる。
退学願を出したのだから、自分は高校は中退組だと信じてるのだ。


実家は早朝6時から深夜2時までのスーパーがメインだが、コンビニも数店舗やっている。
職にあぶれる事も無い。

1週間も無断欠席するのだから、学校としても気になるのは当たり前だ。
何度、会いに行った事やら。
やっと本人に会えた担任は、啓の前で退学願を破いてやる。
 「あー、何するんだっ」
 「あんな事で退学なんざ、させてたまるかっ」

折角、折角、書いたのに…、ビリビリに破いてくれて…。


担任は、啓の腕を引っ張り立たせようとしている。
 「ほら、来い。サッカーはサボっても良いが、学校は退学するな」
 「俺、仕事してるんだよ」
 「高校中退するより卒業した方が仕事していくうえで有利なんだよ」
 「嘘だね」
 「嘘じゃない」
 「この世の中、学歴だけじゃメシ食っていけねえんだよ」
 「分かり切った事ヌカしやがって、そういう事は40歳過ぎてから言うもんだっ」


担任はバイクに乗ってきたみたいだ。
メットを持たせられる。
 「ほら、メット被って乗れよ」
 「俺、仕事があるのに」
 「いいから、乗れって言ってるんだ」
凄まれても引かないのは、さすが啓だ。
しゅん…となっていたが、担任は待ってくれている。
 「このまま、どっか連れて行って」
 「しょうがないな。何処行きたいのか、聞いてやるよ」
 「先生のマンション」
 「啓…」
 「マンション行って、エッチしたい」
そう言うと、担任は啓を抱きしめてやる。
 「分かった。最近、御無沙汰してるからな」
 「そうだよ」

メットを被り、バイクの後ろに座る。
担任の背に腕を回し、ぎゅっと抱きしめる。
 「早く行こ」

そんな啓を抱きしめ、優しく背中を叩いてくれる。
 「啓、先に学校だ。その後に、俺の所な」
 「学校やだ」
 「啓…」
 「皆から後ろ指さされるの、我慢できない」

図体はデカいが繊細な神経を持つ俺の恋人は、もろい所がある。
そんな啓の顔を覗きこみ言ってやる。
 「啓、こうしよう」
 「何?」
 「今日は、これから学校へ行って話をする。その後、荷物を取りに啓は家に帰る。
荷物を纏めたら連絡してこい。車で迎えに行くから、一緒に過ごそう」
 「え、今日から一緒に」
啓の目がキラキラと輝いてきた。
その啓に追い打ちをかけてやる。
 「但し、高校は卒業する事。それが条件だ」
 「えー……」
 「俺たちの事は親だけでなく、校長や教職員はもちろんだが、地域の皆も知ってるからな。
一緒に暮らす時期が一年早まった。それだけだよ」
 「うー……」



唸っている啓の唇を優しく指でなぞってやる。
 「啓…」
 「よ・し・か・・ず…」

 
担任の顔が、いや恋人の顔が近付いてくる。
お互いの息がかかる距離に…。
微かだが、唇が触れそうになる。
啓は、目を瞑り待つ。




いきなり痛みがきた。

 「ってぇなー…、なに人の顔を叩いてくれんだよ」
 「あっぶねえ、危ねえ…。こういうカッコしてる時は、お前の担任なんだからな」
 「だからって、人の顔をパーで叩かなくても良いだろ」
 「続きは後だ。このまま飛ばすからな、メット被り直して掴まれ」
 「うん」



啓を後ろに乗せ、婚約者であり担任の田村佳和のバイクは高校の駐輪場に向かった。












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そして、もう一組、カップル誕生しましたね(*^m^*) ムフッ
そうだよ、田村先生。
仕事中の服装をしている時は、しようとしない様にね。
寸での所で止めたのは、さすがです(拍手)

弟と兄 (15)

※小林兄弟視点※


月曜の朝は、先に真木をアパートまで送り、そのまま車で学校へ行く。

職員室に顔を出し、校長室に行く。
 「おはようございます。」
 「ああ、おはよう」
 「弟が退院するので、迎えに行きたいと思ってます。申し訳ないのですが、午前中は留守にしますので、お願いしてもよろしいでしょうか?」
 「良いよ。弟さん、お大事に」
 
来年からは駅伝コースを変更しないといけないな…、と校長の呟きが聞こえてきた。



病室の入り口には、まだ名札が掛かっている。
ドアが開きっぱなしなので、ノックして入る。
 「祐樹、気分はどうだ?」
兄の身体に抱き付き、言ってやった。
 「あ、お兄ちゃん。入院中は来てくれなかったから、退院は1人でするつもりだったんだ。来てくれて嬉しいっ」
 「ごめん、ごめん」
 「本当に、そう思ってる?」
 「思ってるよ。学校に行ってて、事故処理してたんだ」
これは嘘ではない。
その言葉に祐樹は気が付いた。
 「そっか、あれからそのまま帰ったからな…。今日の診察も終わってね。今、退院の手続き中だよ」
 「そうか、安心したよ」
 「退院する前に寄りたい所があるんだ」
 「何処?一緒に行こうか?」
 「ありがとう。由貴の病室に行きたいんだ」
 「俺も行くよ」


ノックをすると元気そうな声が聞こえてくる。
 「はーい、どうぞ」
ドアを開けて声を掛けてやる。
 「俺だよ」
 「あ、部長。修二から聞いたよ、崖から落ちたって」
 「俺も聞いたよ。大変だったね」
 「啓が何て言ったか知らんが、察知できなかった俺も悪いんだ」
 「由貴…」
 「でさ、なんで養護教諭が居るんだ?」
 「あ、俺が退院するから、迎えに来てくれたんだ」
 「ふーん…」


由貴は養護教諭を睨んでいるが、兄は無視しているので言ってやる。
 「由貴、睨まないでよ」
 「そいつは部長の事になると目の色を変えるからな」
 「そりゃ兄弟だもん」
 「誰が、誰のお兄ちゃんだって?」
 「お兄…、あー、この養護教諭と俺が」
 
すると由貴は目を大きく見開いてる。
 「へ…、今、なんて…」
 「言っとくけど、俺の本物のお兄ちゃんなんだからね」
 「嘘っ」

養護教諭と部長が兄弟だなんて信じられない…。
と呟いてる由貴に(皆、知らなかったのか…)と思わされた祐樹だった。
「お大事に」と言って、病院を後にした。


昼飯はお兄ちゃんと二人で外食した。
たまには外食も良いね。
お兄ちゃんの笑顔も見れたし、デート気分を味わえたし嬉しいな。



その後、学校に行き、4時間目から授業を受ける。
放課後は部室へ行き、由貴の様子も伝えた。
今日は様子見として部活は休めと言われ、そのまま家に帰った。
こんな時間に帰宅するなんて初めてだ。

なら、夕食は張り切って作るかな。












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小林養護教諭の弟の祐樹君の心情ですね。
で、夕食は何を作るのだろ(。・ρ・)ジュル

弟と兄 (14)※軽く描写あります※

※真木視点※


俺はお願いしていた。
 「ねえ、もう一度」
 「もう少し、このまま繋がっていたい」
 「何言ってるんだが…」
苦笑しながら言ってやる。
 「もう一度、チャンスが欲しいんだ。3年の体育大会に賭けるから」
その言葉に、即答だった。
 「俺は許さない、と言ってるんだ」

 「ねえ、言わせて」
 「しつこい」
 「今度の体育大会で、どの種目でも良いので個人優勝したら、自分の気持ちを伝える」
 「誰に」
 「それまでに自分の気持ちを整理しておくから、待ってて」
 「…優勝しなかったら?」
 「伝えない」
 「真木」
 「これだけは言っておくよ。俺は小林と離れたくない」

ああ、この人の睨み顔は最高だ。
俺、やっぱりこの人が好きだ。
もちろん、弟の小林の方も好きだけど。
あ…、そういえば、崖の下でヤッてたんだ。
それを知られないようにしないといけない。
バレたら、大目玉食らう羽目になる。

 「ねえ、いい加減に下りて」
 「いやだ」
 
そう言って、自分のモノを抜いて、俺の身体に体重を乗っけてくるように寝っ転がってくる。
 「重いの」
 「煩い」
 「ねえ、」
 「煩い」

(いや、本当に重いんだよ)と思いながら、恋人の背中を抱きしめてやる。
 「ベッド行こ。背中痛いんだ」


その言葉で気が付いたのだろう。
こう言ってきた。
 「そう言えば、昨日は祐樹の身体しか診なかったな」
 「やっと気が付いたみたいだね。顧問から診てもらえと言われたのだけど、俺と田中は怒られてただけだもん」
 「怒られるような事をしただろ」
 「祐樹が一番大事だもんね。その気持ちは分かるよ」

そう言うと、凄く嬉しそうな表情で言ってくる。
 「そうだろ。あいつは、この世の中で一番大切な人間なんだ」


(ブラコン)と思いながら、俺は甘えてみた。
 「ねえ、俺の身体を診察してくれる?」
 「ギャラは?」
 「ひどっ。貧乏高校生からふんだくるの?」
 「どーしよーかなー」

そう言いながら、俺の恋人は俺の胸の位置に唇を置き、乳首を舐めたり弄ってくれる。
まるで小さな子供みたいだ。


 「あ、そうだ。小林が入院してるのなら、その間、飯を作ってあげるよ」
 「プラス、エッチな」
 「ったく、この人は」

 「俺の家で」
 「え…」
 「ここだと壁が薄いからな。俺の家だと、今日と明日は祐樹が居ないから、思いっきり声が出せるから、誰にも聞かれる心配はないぞ」
 「も、もうエッチなんだから…」



二泊の用意をし、小林家に向かった。
先に食事を食べ、その後はエッチタイムだ。

昼間は乗っかられたが、今度は俺が上だ。












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軽く描写あります。
真木といちゃいちゃ関係の小林養護教諭でした。

弟と兄 (13)※R18!性描写有ります。18歳未満&抵抗のある方はスルーして下さい※

~真木視点~ ※R18!性描写有ります※


トレーナーの裾から手を挿し入れ、腹を触ってくる。
 「んっ……」

 「真木、俺は許さんからな」
 「みち…」

裾を捲られ、胸を舐められる。
 「っ…」

真木の下半身は熱を持ち、見事なまでにそそり立っている。
道夫は、ソレを口に頬張り扱いていく。
 「ふっ…、あっ…」

 「や、だ・だめっ…」

 「ね、みち…、あ、で、でる……」

 「あ、アアッ…」


真木の塊から放出された粘々状のモノを指に絡ませ、道夫は自分の穴に擦りつける。
いつの間にかズボンを脱いでいたみたいだ。
道夫は真木の塊を自分の中に入れようと腰を下ろしていく。
真木の塊が穴の入り口に当たる。
 「う……」

ゆっくりと腰を下ろしていく度に、真木の塊が当たってくる。
 「はあ…」
 「あっ…、み・ち」
 「ん、まだ」

息を吐きながら、真木の身体の上に体重を掛ける。
 「あっ…」
 「みち…、くぅ…」

少しばかり幸せを感じる。
 「はあ…、久々だ」
 「み…」
 「動くぞ」
 「ん……」


道夫は、自分の身体を上下に動かし始めた。
中に入ってる真木のモノが当たってくる。
 「ふ…」
 「う…、み、ち…」


目の先には道夫の塊が動いてる。
思わず、そのモノを握っていた。

もしかして、俺、ヤラレているのか。
今迄は俺が乗っかりヤッてたのに。
今は、求められている。
ねえ、道夫さん。
本当に俺で良いの?



この人と初めて会った時の事を思い出していた。

2年前、入学式が終わりサッカー部の見学をしたくてグランドに向かってる途中、小林兄弟に会ったんだ。


 「あ、あ…」
 「真木…」

 「はぁ…」
 「…求めてこい」

 「みち…」

手を、腕を伸ばしていた。
あの時みたいに。
あの時は段差に気付かず、小林の弟の方に抱き付こうとしていた。それをさせない様に、兄の方が弟を背にして、俺を抱き止めてくれたんだ。


そして、去年の5月の体育大会で擁護室へ連れて行かれた。
あの時、この男にケツを見られ座薬を押し込まれたんだ。
 「熱のある奴は休め」と言われて。
でも、俺は「熱なんて無い」と言い張ってたら、証拠を見せろと言われ、俺はヤッたんだ。
 「これが証拠だ」と、言って。

入学式の日に俺を抱き止めた事なんて、この人は覚えてないと言ってたけど、この体育大会の事はしっかりと覚えてるだろう。
確認はしてないけど。



身体を揺さぶられる。
 「真木っ」
 「あ…」
 「何考えてる?」
 「う、何も…」
 「余計な事を考えるなよ」
 「だから…、んんっ」

 「考えてるのが分かるから言ってんだ」
 「あ、あんたのバージンを貰った日の事を思い出してたんだよっ」


文句あっか!という思いで睨みつけてやる。

 「ああ、去年の体育大会の日か」
 「そうだよ」
 「熱があるのに、無いと言い張って、証拠がこれだと言った事だよな」
 「そうだよ」
 「男から告白される事はあっても、身体を奪われた事は無かったからな」
あれは忘れられない。


覚えてくれてたのか。
嬉しい。












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今回は、しっかりと迷わずR18!です。
なにしろ17歳の高校男児&養護教諭ですもの(*'ー'*)ふふっ♪

アレレレ!?(・_・;?
養護教諭が上なのに、突っ込まれる方なの?

弟と兄 (12)

真木の住んでるアパートの玄関ブザーを鳴らす。
ドアが開くと同時に声が聞こえてくる。
 「あ、小林はどう」

後ろ手でドアを閉め鍵も掛ける。
 「ねえ、小林は…、祐樹はどんな様子なの?」
 「あいつは入院した」
その言葉に、真木は目を大きくした。
 「入院って…」
 「打ち身と内出血だ」
 「他は」
 「他は大丈夫だ」
その言葉を聞き、安堵の溜息が出る。
良かった…、と呟いていた。


 「なんで、こうなったのか教えてもらう」
押されるようにリビング兼キッチンのソファに座らされる。
 「タッチの差で、あいつの方が先にスタートしたんだ。俺も、負けるもんかという気持ちであいつを追ってスタートしたら、いきなり、あいつが消えたんだ。
下り坂でスピードが出ていたまま、9区の田中も並走していてぶつかったみたいだ。
俺は小林の後を追って崖下に落ちる様に飛び降りたんだ」
 「そのまま走れば1位だったかもな」
 「今年は柔道が早くて…、とんだ番狂わせだよ」

相手は黙ったままだ。
なので、真木は言っていた。
 「ねえ道夫さん。俺は小林と競いたいんだ。あいつと走って…。
他の奴等とではなく、小林だけと競争したいんだ。
俺は、あいつが良いんだ」
 「それは俺と別れる、という事か」
 「卒業したら会う事は出来ないんだ。だから、確実なものが欲しいんだ」
 「俺は許さんぞ」
 「みち」

キスされた。
 「んっ」

ああ…、久しぶりのキスに、久しぶりの温もりだ。
離したくなくなる。
 「ふ……」

この人からしてくるなんて滅多にないので、凄く嬉しい。
だけど、その反面、何かがありそうで怖い。
 「は・・、はふぅ……」

 「ま、き…」
 
唇を離して言ってやる。
 「嫌いになったわけではない」
 「それなら、何故」
 「あいつと仲良しのままでいたいんだ」
 「俺より友情を取る、という事か」
 「俺の気持ちは変わらないよ」
 「そんな泣き顔で言う事か…」

あれ、俺って泣いてるのか?おかしいな…。

 「駅伝で1位になれなかったから悲しくて…」
 「陸部に負けたんだってな」
 「そうだよ。あいつ抜け駆けしたんだよ」
 「抜け駆け?」
 「3人で居たのに、何時の間にか上に登っていて…。
後は崩れた崖を登るだけの所に居て、声を掛けてきたんだ」
 「何て言ってたんだ?」
 「頑張って登って来いよ、って」
 「崖を、か?」
 「木登りして道路と崖の境に上がったみたいだ」
 「まあ、あいつは小さい頃から木登りは得意だからな」
 「それじゃ、なんで落ちたんだろ…」
 「誰かが、自分の上に乗っかってたからだろ。あいつ一人なら上手く落ちる筈だ」
 「へー…」

あの時の事を思い出し、教えてやる。
 「あいつがじゃあなと言って後ろを向いた時に、背中とケツが丸見えになってて驚いた…。
思わず、手が滑って落ちようとしたんだ」
 「ああ、あの格好ね」
 「まあ、陸部はタンクトップにランパンだから破れやすいのは知ってるけどな」


これだけは言っておかないとと思い、口を開ける。
 「ねえ道夫さん。俺はっ」

床に押し倒され乗っかられる。
 「ちょ、ちょっと待ってっ」
 「何を待つんだ?」
 「あのさ、重いんだよ」

その言葉にムカついた。
 「一言余計っ」












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祐樹の兄とサッカー部の真木の話し合いなんですね。
でも、話し合いだけで済みそう、なのか・・な・・・?

弟と兄 (11)

その夜。

祐樹は痛みで目が覚めた。
ベッド脇に兄が付いてくれてるのが見える。
嬉しいのだが、この痛みは耐えられない。
寝てるのを起こすのはしのびないが、ごめんね、お兄ちゃん。


 「お兄ちゃん、お兄ちゃん」

泣き声に気が付き、目が覚める。
 「悪い、寝てた。どこが痛い?」
 「身体が、あちこち…」
 「よしよし、待ってろ。温めてやる」


新しい温湿布を貼り直してやり、熱を測る。
 「お兄ちゃん…」
 「大丈夫だよ、熱は無いし…。朝まで付いててやるから」
 「一緒に寝て」
 「だから」
 「布団に入ってきて…」
 「祐樹…」
 「良いでしょ?」
苦笑しながら言ってやる。
 「まるで小さな子供みたいだな」
 「小さいだけ余計」
 
その言葉に笑いが出ていた。
くすくすと笑いながら言ってやる。
 「そういう事が言えるのなら、頭の方は心配ないな」
そう言いながら、布団に潜る。
祐樹のベッドに潜り込むと同時に祐樹は俺にべったりと近寄ってくる。

久しぶりの弟の体温。
こいつが中学生だった頃は一緒に寝ていたものだ。
 「祐樹、お休み」
 「お休みなさい」


寝顔が可愛い。
思わず抱きしめてしまう。
今は何時だ、とヘッドボードに置かれてる時計に目をやる。
まだ3時過ぎか。
もう少し様子を見て、近場に在る大学病院へ連れて行こう。
JR駅に在る病院は個人病院しか無いからな。


身体を寄せ合い、温かみを感じる。
分かってる。
頭では分かってるんだ。
でも、許せる事は出来ない。
俺の祐樹を、こんな目に遭わせてくれて…。



午前中に病院へ連れて行き、どうしてこうなったのかを説明する。
身体全身に打撲があり、数ヶ所の内出血だという事で3日間入院する事になった。
やはり、病院に連れて来て良かった。
学校の養護室では処置でも簡単な応急処置しか出来ない。
それに、俺は医者で無く薬剤師だから、基礎的な医学処置しかできないのだ。
風邪薬とか整腸剤とか薬関係は作れるから、養護室の隣に在る薬剤室で薬を調合している。
まあ、普通の学校なら薬剤室は作らないだろう。
この高校は県外から来てる生徒の為にも、ご家族の方を安心させる為、薬剤師を常駐して処方箋薬局もしてます。というのも売りにしてるのだ。


祐樹の事は心配だけど、病院に任してれば安心だ。
入院手続きを終え、俺は真木のアパートへと向かった。


さあ、祐樹が退院してくるまでの間に真木を痛めつけてやる。
知ってる事を吐いて貰うからな。
俺を甘く見るなよ。












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弟を守る為に、兄は行動を起こすのね。
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