BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (6)

ホテルに戻ると、フィルが無事だった事と、イタリア王子と再会したのが嬉しくて興奮していた。
私に何も言わずに国外に出たフィルには、何をしてもらおうかな。

そう思いながら、数分だけでも言葉を交わすことができた。
少し考えては、頭の中を整理しておこう。

フィルはGPで働いてる。
イタリア王子が居る。
そして、あのGPはエドワード様のだ。
その隣には、トモがボスをしているクリニックがある。

4人の接点は?
フィルを中心にして考えてしまうのは、いつもの事だ。

フィルは、3人共に面識はある。

まず、エドワード様はドイツの御の直系の人間だ。
エドワード様には、可愛がってもらっていた。
つい、昔にタイムスリップしてしまいそうだ。

そして、イタリア王子。
彼は、自由にヨーロッパ全土を行き来できる人だ。
彼がドイツに来た時、私とフィルを特に可愛がってくれた。
エドワード様とは違う意味でのだ。
彼は、コンピュータに長けていて、フィルは彼に教えてもらっていた。
最初のうちは、私には何の事か分からず、ただそこに居るだけだった。
それでも、あの複雑なコンピュータに嵌るのには、そんなにも時間は掛からなかった。
そして、彼は色々な事をも教えてくれた。
私達、お側付きの全員に…、外の事を。
ドイツ語を話す国は、欧州のほとんどが話す公用語だと。
他にも喋れるようになると楽しいよと言ってくれては、日本語と中国語も教えてくれた。
そして、フェンシングや銃も、彼に教えてもらった。
だから、御のお側に仕えることが出来たんだ。

そして、トモ。
アンソニーと日本で3年間ほど一緒だったらしい。
アンソニーが彼を好きなのは一目瞭然だ。
でも、トモにはそういう感じがしない。
彼が、広東人に拉致られてオフィスに連れてこられた、あの時。
彼は自分の荷物を持って逃げようとしてる奴を、窓から出ては追いかけていた。
彼の身軽さ、身体能力を目の当りにした。
フィルと私は、彼が男を捕まえて投げるのを見た。
彼が自分の荷物からデータパッドを確認してる時、フィルと私は投げられた男を縛り付けては、バッグの中の物を見ていた。
彼は、アンソニーがボスをしている病院勤務の契約ドクターだと、その時に気が付いたのだ。
でも、所持金は少なかった。
たったの1$…。
帰ってくる途中だったらしく、出かける時は5$あったらしい。

病院に戻る前にオフィスに連れて行くと、アンソニーは激怒していた。
私は、アンソニーの言葉を聞いてビックリしたものだ。
 「ドクターストップ」
 「運動全般禁止」
私が目にしたトモは、この窓から身を躍り出しては屋根伝いに走ってた。
そして木登りに、柔道。

明日は診てもらわないといけないなと思い、アンソニーに言うと同感だの一言を貰って診察させた。
しかも、受けた診察科が脳外科…。
二重にショックを受けた。

それから、ドンがトモに興味を持ったのか「構成員に…」という言葉を聞いた。
アンソニーは嬉しがっていたが、ドクターストップ掛かってる人間を構成員にしない方がいいのではないかと思ったら…。
彼は言ってのけた。
 「マフィアには興味ない。オモチャもいらない。」
あの箱の中身を見て動じないというのは、普通の人間の感覚の持ち主ではない。
しかも、銃をオモチャだと言い切った。

それに、あのフィルでさえ言ってた。
 「-アクセスできない-」
それなら自分もアクセスしてみようと決心して試みた。


でも、フィルとの接点はそこまでだ。

そして、エドワード様とイタリア王子の接点。
この2人は、共に欧州に名を馳せてる。
お互いが、お互いを知ってるだろう。
それならトモとの…

その時、ベルが鳴って物思いから引き戻された。
時計を見ると18時を過ぎている。
フィルだ。
でも用心をしては、ドアスコープを覗く。
フィル1人だ。

ドアを開けると、フィルが立っていた。
部屋に入れると、私はフィルを叩いた。
でも、フィルは…。
躱すことなく、私に叩かれていた。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
自分には、何一つ言わずにシンガポールを出て行った恋人に腹が立ち、思わず殴ってしまったジョン。
気持ちは分かるよ、うん。

心配して、安心したら叩いてたって、いうアレよね…。


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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (5)

 「見つけたっ!こんな所に居たなんて…。」

 「 わっ!!」

誰かに抱きつかれた。
思わず声を出してしまったフィルは、自分に抱きついてきた人を見ては、また驚いた。

 「え、ジョン?なんでここに…。」
 「探したんだよ。いきなりフィルが消えたから…。」
ひどいよ、恋人である私に何も言わないで居なくなるなんて…。
しかも、と付け加えながら言ってやる。
 「フィル!なんで抱きしめてくれないの?」
フィルは、指を口に持って行き
 「シー、シー。声が大きすぎ。」
ここはGPだよ。
そう言われてハタ…と気が付いた。
そうだ、GPとはいえ病院だ。
しかも受付…。
それもそうだな、と思い直してフィルから離れる。

奥から声が聞こえてくる。
 「フィル!フィルどこだ?
あ…、ここに居たか。この野郎。澄ました顔でそこに座ってるんじゃないよ。」
どこかで見た顔だなと思いフィルを見てると、フィルはそいつに言い返していた。
 「なんだ、何か用か?私は忙しいんだ。」
その男は偉そうに踏ん反り返ってる。
 「ほう、そんなに忙しいのか。それなら、温室のヒーターはいつ壊れたのかな…。」

ギクッ!
フィルの身体が揺れてる。
 「い…いや、直そうとしたんだよ。でも、応急処置は施した。」
 「馬鹿やろう!お前が勝手なことをしたせいで、部品を買う事からしないといけなくなったんだぞ!私が作った物を壊すな。」

フィルの頭をグリグリとゲンコツで弄り回してる。
仲がよさそうに見えてムカつく。
 
 「フィル。私はホテルに1週間滞在するから。」
 「ああ、分かった。終わるのが18時なんだ。それでも良いか?」
 「うん、待ってる。これが宿泊先のホテルね。」
と、ホテルの名前と部屋番を書いたメモをフィルに渡した。

すると、偉そうにしてた男が口を開いてきた。
 「なんだ。フィルのお迎えか。良かったな。」
 「違う。そんなんじゃない。」
すると、違う人が声を挟んできた。
 「ほんと、2人とも仲がいいよね。なんか妬けちゃうな。」
 「はあぁ?仲がいいように見えるのか?」
 「うん。そう見えるよ。ね?フィルも満更ではなさそうだし。」
フィルは返していた。
 「そんなのではないですよ。」
偉そうな男が、途中から入ってきた男に口を開いていた。
 「ワンは、これから仕事?それとも帰り?」
ワンと呼ばれた人も、偉そうな男に返してた。
 「今日は夜勤なんだ。ユタカは?」

ユタカと呼ばれた、その偉ぶった人は、私の方を向いてきた。
 「他人の顔を、そうジロジロと見るものではない。」と私に言ってきた。
まともに顔を見た私は、そこで気が付いた。
この偉ぶってる人の正体を。

流れる銀髪に、碧い目を持ったイタリア人。
キリッとした目つきに、穏やかな表情で高貴な雰囲気を醸し出してる。
年を経たせいか、落ち着いた感じに見える。
あの時、私を含めた20人のお側付きにコンピュータだけではなく、外の世界の事や外国語等を教えてくれた。
イタリア王妃と、日本人男性との間に生まれた、イタリア王子だ。
国籍は日本なので、王子ではないと言ってくれるが、王子と呼ぶのに相応しい容姿をしてるので、勝手に「王子」と呼ばさせて貰ってるのだ。

目を伏せて謝った。
 「そうですね。申し訳ありませんでした。」
フィルが声を掛けてくれた。
 「ジョン。後で行くから。」
 「うん。待ってる。」
ん…、ジョンって言った?
もしかして、フィル。あいつはお前にコンピュータ教えてた時、そばに居たガキか?
 「そうだよ。」と2人が話してるのが聞こえてきた。

 (ウソだろ。よく覚えてるな、あの人も…)
そう思いながら、GPを出てホテルに戻った。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
アンソニーは、やっと恋人を見つけた。
恋人であるフィルは、パースに居たのだ。

フィルも驚くよね~

しかも、そこの場所には「イタリア王子」と呼ばれてるユタカが居るので、二度ビックリしたジョンでした。
『俺様ボス~』に登場した人物が、ここ『あなたの体温(ぬくもり)~』にも登場します。
お楽しみに(^_-)-☆

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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (4)

どうして、こうなった?

私は、トモが好きなんだ。
今まで生きていて、色眼鏡で私を見ることなく、まっすぐに私の目を見てきたのは…。
唯一、トモだけだ。

従兄弟関係は薄かったけど、特にヒロとは仲が良かった。
悪さをすれば叱ってくれたり、勉強を教えてくれたり、バイオリンを聴かせてくれたりしてた。

トモが欲しい。
トモを自分のものにしたい。
そういう思いで、あの時トモを抱いたんだ。
媚薬を使ってまでしてもだ。

なのに、トモはヒロとキスをしてた。

キスだけでは恋人とは言えない。
ヒロは怖い時もあるから、脅されてのキスだと思ってた。
今でも、そう思ってる。

どこにも行かせたくない。
手元に置いておきたい。

だから、父から「トモを構成員に…。」という話を持ちかけられた時は嬉しかったのだ。
でも、トモは断った。
 「興味はない!」と。

父は、そんなトモに益々興味を持ったみたいだったが。


そして、エドからのオファーをも断った。
オーストラリアだなんて冗談じゃない!
私の手が届かないっ…。

そう思ったから断ったんだ。
トモは、少し考えると言っていたが…。

エドとトモの接点が知りたい。
断ったはずなのに、どうしてトモはエドの所に居るんだ?


せめて、自分に保障が付くまで残り4年少し。
マフィアのドンにはなれなくても良い。
一族から見放されることは、絶対に嫌だ。
エントリーから外されても構わない。
せめて、保障が付くまで。
そして、財産が貰えるまで。

そう決心すると、ドアが開いた。
 「ノックぐらいしろ!」
すると、
 「フィルが消えた!」

え?

振り向くと、ジョンの顔が血走っていた。
 「ドンは知ってるのかどうか分からないけど、フィルと連絡が付かない。
他の奴らに聞くと、誰も知らないと言ってる…。」

フィルは、父の一番のお気に入りだ。
だから、第一秘書としてそばに置いている。

私は思ったことを口に出していた。
 「では、誰が秘書になったんだ?」
ジョンは、即答だった。
 「秘書は世界各地に散らばってる。
シンガポールでは、フィルを含めて秘書は6人だ。」

私には、初耳だった。

ジョンは続けてくれる。
 「秘書の仕事は、残り5人で十分に出来る。だが、一番の問題はコンピュータだ。
フィルがいないと、誰も、何も出来ない。」
思わず口から出ていた。
 「フィルの代わりはいない?」
 「そうだ。」
と、ジョンは即答してくれる。
 「私の代わりは、探せばいるのに?」

片眉を吊り上げて、ジョンは私を詰った。
 「なるほど。
そういう事を言うのなら、もうあんたには何も言わない。
私は勝手にさせてもらう。」


バタンッ!!

大きな音でドアが閉まり、ジョンは出て行った。


この時、私は気が付いていなかった。
ジョンを止めもしなかった事に。
一番の味方を、自ら手放した事に。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
アンソニーは、8年前の銃撃戦の時、屋上でトモと博人が抱き合いキスをしていたのを見ていたのでした。
そう、ジョンもね。

アンソニーに、フィルが居なくなったと告げたジョンは、アンソニーの投げやりな言葉に激怒しながらでも、我慢していた。
が、ある言葉を聞き・・・
放棄してしまった。
守り役を…。

ついに、ジョンが切れた!
2人とも、言葉足らずです・・・。
なので、伝わるものも伝わらないわよねー

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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (3)

それを聞き、思い出そうとした。
 日本に5年間居た。
 ドイツに戻ってから、真っ先にしたのは御との対面。
 そして、シンガポールに来てからは、父親との対面。

そこで、何を約束したのかを思い出した。
ハッと気が付く。

私の顔を見ながら、ジョンは言ってくる。
 「思い出したみたいだな。
トモの所に行きたければ、行けば良い。
だが、約束は果たせ。」


御との対面をした時に、約束をした事は…。
 『エントリーするのは、まだ早すぎる。
第一、条件に満たされてない。
シンガポールで、ボスをしろ。
ボスとして責務を、最低でも15年間はしろ!』
……、まだ11年しか経ってない。

父親との対面の時にも、約束した。
 『私の跡を継ぐのは、難しい事だ。
あの人との約束を守るのが、最優先事項だ。
でもまあ、構成員の1人にはさせてやろう。』


今、ここで自分がシンガポールから出たら…。
父親やマフィアから、一族からも見放される。

たとえ父親の跡は継げなくても、エントリーも出来ない今の状況では何の保障もない。
他の従兄弟達は、既に手にしているだろう財産も、自分だけはまだだ。

ジョンの言葉が、私を突き刺す。
 「約束を果たすことが出来ないのだから、次を探せ。
そう言ってるんだ。」

黙ってると、次々と言ってくる。
 「あんたがここに居座るのと、そうでないのとは大いに違ってくる。
あんたが、ここから出ていくと私は解放される。
ドイツに戻れるんだ。
そして、死ぬまであの人のお側に居られる。」
ジョンは、そう言いながら嬉しそうな表情をしては、うっとりとしてる。
 「だから、とっとと決めろ!」

思い出した。
そうだ、ジョンは御の側付きであり、私の監視役だ。
私の行動は、ドイツに・・・
御に筒抜けだ。

そして、おそらく父にも…。

意を決して、ジョンに聞いてみる。
 「ジョン。」
 「なんだ。」
 「私に仕える気はないか?」
即答だった。
 「私は、自分の主は自分の意志で決める。」

それは、あくまでも私の監視役だ、という事だ。


憎らしい!
そう思うと、振り向き様に撃った。

パンッ!!


私よりも、一瞬早くジョンの銃が火を噴いたのが分かった。
サイレンサーだ。

ドサッ・・・。

ジョンは、倒れた私に近寄っては、足でひっくり返してくれる。
鼻で笑ってるのが分かった。

ふっ…。
 「急所は外してやったのだから、それだけでもありがたいと思うんだな。」
あんたは、この私に銃を向けた。
このことは、報告させてもらう。


そう言って、ジョンは私の…、ボスルームから出て行った。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
アンソニーとジョンの会話から、この2人の関係は分かると思います。
登場人物のページにも書いてますが、改めて・・・
アンソニーの守り役のジョンです。
執事では、ありません。

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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (2)

そう思ってたら、いきなりテレビに出てきた。

 『オーストラリアのパースにて。
日本人ドクター、ノーベル賞獲得!』

メガネをかけて別人になってる。
だが、これはトモだ。

なんでパースなんだ?
あの時、オファーを掛けてきたエドには断ったはずだ。
この私が、断ったんだ。

エドに、
 「トモには、たくさんオファーが来てる。だがオーストラリアは遠すぎると言ってた。
だから、諦めてくれ。」と。

でも、テレビで言ってる病院の名前は、たしかにエドがボスをしているスペシャル病院の名前だ。
接点は、どこにある?
検索すると、色々と出てきた。
それは、テレビでやってるのと同じ内容だった。
それは、私の知りたい事ではない!


こうなったら自分の足で言って、自分の目で耳で確かめる。
居場所は分かってるのだから。
そして、連れ戻す。

トモ。
お前は私のだ。
誰にもやらない。


 --行動を起こす。

 「どこに行く気だ?」
ジョンの声だ。
だから、急に声を掛けてくるな。
 「トモの所に行く。」
 「なにをしに?」
 「決まってるだろ!トモに会って、トモを抱いて、トモと話をして…
満ち足りたいんだ。」
すると、なにやら不穏な気配のする笑顔をしてきた。
 「行きたければ行けば良い。私は止めない。」
その言葉に安心した。
だが、さらに言葉を続けてくる。
 「だが、行く前に次を決めろ。」
 「何の事だ?」
 「次のボスだ。分かってるはずだろう?」
次のボス?
 「ここのボスって事か?」 
 「そうだ。」

は…、何言ってるんだこいつ。
 「ここのボスは私だ。ジョン。何を言ってるんだ?」

すると、付け加えてきた。
 「約束しただろう。あの人と。」

何の事か分からない。
キョトンとしたのが分かったのだろう。
こう続けてくれる。
 「日本からドイツに戻ってきた時、あんたは誰と会った?」

 「そして、どんな約束をしたか思い出すと良い。」



※※ あさみからの、一言コメント ※※
トモがテレビに出てきた。
しかも、居場所はパース。

アンソニーは、トモが大好きなのね。
だから独り占めしたい、という気持ちは分かる。
トモの所に行きたいが、シンガポールを勝手に離れる事は出来ない。

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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい (1)

 「どこに行くんだ?」
急に言葉を掛けられ、ハッとして振り向く。
 「ジョンか、脅かすなよ。」
 「もう一度聞く。アンソニー、どこに行く気だ?」
 「トモの所だ。」
決まってるだろう。
なにしろ、トモのデータにはアクセス出来ない。
ジョンやフィルに頼んでも、全くアクセス出来ないのだから。
役立たずめ・・・。

でも、やっと居場所が分かった。
あれから何年経ったと思ってる?
8年だよ、8年!

トモがまだシンガポールに、この病院で勤務してた時…
あの時、媚薬を身体に振りかけては、無理矢理トモの身体を奪った。
その時の快感が忘れられず、隙あればキスをしては、身体を触りまくっていた。
なにしろ、同じ科ではないので、会える時は少ない。
トモは皮膚科で、私は消化器官だ。

それが、あの時…
銃撃戦に遭った時、トモはあいつにされるがままになっていた。
私には絶対に見せてくれない表情をして、屋上で抱き合いキスをしていた。
ヒロと…。


あの時、ジョンは言ってた。
 「ビュールームのテラスの隅に、壊れたフェンスがある。
トモは迷わず、そこに行っては座り込んでいた。
誰も危ない所は行かないからな。
それに、私の横を通ってたけど、気が付いてなかったみたいだ。
…いつから居たのか分からない。
急に、ヒロト様の姿が目に入ってきた。
そして、抱き合ってキスをしていた。
トモは、あんたの恋人ではなかった、という事だな。
だから、連絡しなかった。」

そう、ジョンは連絡してこなかった。
私はトモの帰りが遅いので、眼科に連絡して診察の結果を聞いて知ったのだ。

 「左目失明」

トモはどうしてるだろうと病室へ行くと、戻ってきた気配はない。
ナースに聞いても、知らない、分からないと言うし…。
トモの行きそうなところを捜しまわった。
そして屋上に上がってきたのだ。
ジョンが居るのが見えたので、何か知らないかと思い行くと・・・
ジョンは、私の方を見ては視線を戻した。
その視線を追っていくと、トモがいるのが見えたのだ。
その隣にはヒロが居る。
ヒロがトモの顔を触っている。
2人とも、何か言ってるみたいだ。
そして、トモはヒロと抱き合いキスをした。

どうして、この2人が?

その場から動けなかった。


トモとヒロの接点を探すため、自分でもデータにアクセスした。
ヒロのは簡単だ。
同じ一族だから、簡単にデータは入る。
だけど、トモのデータにはアクセス出来ない。

だから、フィルとジョンにもこの2人の事を調べるように言ったんだ。
ドイツと日本にも、同様に調べるようにと依頼した。
でも、誰もトモのデータにはアクセス出来なかった。
見つかったのは、福岡でのデータだけだった。

ありえない!

福岡で3年間、一緒にいて働いた。
それは、私の頭にもしっかりと記憶は残ってる。
その事しか、情報はなかったのだ。


だが、その福岡でのデータも、最近になるとアクセス出来なくなってしまった。
まるで、誰かが故意に隠してるみたいだ。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
アンソニーとジョンの会話から始まります。

なにやら不気味な出だしとなっております。
ご了承を。

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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい 登場人物

登場人物

 アンソニー(アンソニー=ダビデ・フォン・パトリッシュ=龍 ドイツ人)『御』の孫
シンガポールで、スペシャル病院のボスをしていた。
が、行方不明になる。

 ジョン(ジョン・ボナバルト ドイツ人)=泣き虫
ドイツにある、世界屈指の財閥フォン・パトリッシュ家の主人『御』のお側付き。
その孫のアンソニーの守り役としてシンガポールのスペシャル病院に行く。

 レイ(スチュワード=レイ・コウ オーストラリア人)
シンガポールのスペシャル病院の事務室長をしては、『ミスター』と呼ばれてる。
パースでスペシャル病院のオーナーをしており、ジョンに好意を持っている。

 フィル(フィル・バーナー フランス人)=コンピュータバカ
ドイツにある、世界屈指の財閥フォン・パトリッシュ家の主人『御』のお側付き。
その『御』の義兄弟であるシンガポールマフィアのドンに気に入られて、シンガポールへ。

 ウィル(ウィリアム・ロン オーストラリア人)=本の虫
ドイツにある、世界屈指の財閥フォン・パトリッシュ家の主人『御』のお側付き。
そのドイツを卒業しパースへ帰郷。そこのスペシャル病院でアーノルドの秘書をしている。

 アーノルド(イタリア人)
パースで、レイがオーナーをやってるスペシャル病院のボスをしている。
ウィルとは夫婦も同然の間柄。

 ニック(オーストラリア人)
シンガポールマフィアの上層幹部であり、ドンに一番近い地位にいる構成員。
シンガポールでは、スペシャル病院の皮膚科のオペドクターであり、トモの上司だった。
レイとは家が隣同士で、生まれた時からの仲良し。

 ユタカ(ユタカ・フクヤマ 日本人)=王子
日本人男性とイタリア王妃との間に生まれたハーフ。
イタリアを中心に世界へ自由に行き来できる稀有な立場にいる人間。ドイツの『御』のお側付き20人に色々と師事していた事から『王子』と呼ばれている。

 トモ(トモアキ・フクヤマ 日本人)=トモ・ボス
パースにエドワードがボスをしている病院の付属クリニックとして創設した、クリニックボス。
そのクリニックの隣に、エドワードのGPがある。

 ジュン(潤=マイク・福山 オーストラリア人)
トモ・ボスの息子。お喋り好きで活発な男の子。トモのクリニックと隣のGPで育てられている。
  
 御(日本人)
世界屈指の財閥である、フォン・パトリッシュ一族のトップに立つボス。
『御大公』、または『御』とも呼ばれている。

 ポール(ポール= リュウ・ワン)
アーノルドがボスをしてる病院のスタッフ。

 

※※ あさみからの、一言コメント ※※
いつもお越しいただきありがとうございます。
新しいカップルの登場です。
だけど、前回の(友明編)からの続きです。
主役はジョンとレイです。

リーマンモノが続きます。
最初に書いておきます。
今回の話しは、最後にならないとエッチシーンR18モノは出てきません。
イライラしながら、待っててくださいo(*^▽^*)oあはっ♪

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俺様ボスと私の恋物語 番外編

最近になって、大学時代の仲間が10人勢揃いした。
皆で、最終更新となるだろう追加分を各々が入力していった。

そして、打ち終わったのを、ユタカが、ボスであるトモと共にパスを入れていく。
今回は、最終のパスをトモの息子である潤に入れさせようとした。
だが、なにやら2人してコソコソと内緒話をしている。
まあいいけど。

そして、潤はユタカに言われるまま…
人差し指とDNAをセットしてはパスに入れようとした時。
潤は、とんでもない物も一緒に付け加えたのだ。
庭で遊んでいた、その時に見つけたのだろう。
ポケットに入っていた、大量の蟻。

その蟻をもパスに付け加えたのだった。

パスを入れ終わった後のコンピュータルームでは、ユタカとトモ・ボスが2人で蟻の一斉除去に精を出してはガタガタと清掃していた。
その大量の蟻は、それぞれが違う行動を起こしていたのだ。
コンピュータのキーボードの下に潜り込んだり・・・
コンピュータの画面にへばり付いたり・・・
コンピュータの画面と縁の間に逃げ込んだり・・・
コンピュータデスクの引き出しの中に逃げ込んだり・・・
部屋の隅に、またその隅に逃げ込んだり・・・
とにかく、穴と言う穴に向かって逃げ出したのだ。

蟻は、すばしっこい。
小さい身体を持っていながら、その行動力は素晴らしいものがある。

 「あっ、あっ、あっ・・・そこだ!」
 「だ、だめっ。」
 「今度は、左手の方だ。」
 「届かないっ!」
 「くそっ・・・」
 「太いから、途中でつっかえる…」
 「今度は、右だっ。」
 「うっ!」
 「すごい量だな…」
 「ここ、穴を広げようかな」
 「広げるなっ」
 「でも…」
 「握りつぶせっ。」
 「握りたくないっ…」

2人の声を、音を聞きつけたのだろう、顔を覗かせたワンも引っ張り込んでは…。
中々戻ってこないワンをコンピュータルームまで迎えに来たサトルも巻き添えにして…。


 「全く…、私もアクセス出来なくなったではないかっ。」と毒づいてるユタカに対し、
 「それを許可したのは誰なんだ…。」とワンが呟いた。
当然の言葉だな。
 「言うなっ。」
ユタカは自覚があるので、何も言ってくれるなと言ってるのだろう。

次に、サトルも言ってくる。
 「プログラムの再構築するか?」
それに対してユタカは「えー…。めんど…」の一言だった。
 「あと5日間居るけど、どう?」と、サトルはノリノリだ。
 「そうだな…、また一緒にやってくれるなら…。」と、なにやら考えてるユタカだ。

トモはというと、ずっと笑ってるし…。
ユタカは(笑ってる顔を見せてくれるのは嬉しいな)と内心思いつつ、言った。
 「ボスもっ。いつまで笑ってるつもりだっ!」


元々、このプログラムはサトルとユタカの2人で構築したものだ。
ちなみにトモが潤を呼びに行ってる間に、ユタカはバックアップを取っていたのだ。
ユタカ、天才っ!
なので、プログラムの再構築だけで済んだのだ。
ユタカはサトルと共にセキュリティアップさせたプログラムを3日間というスピードで再構築しては、バックアップを取っていたデータをそのまま打ち入れ直した。
その場にいた3人が、特にサトルは皆のを見ては笑ったり、ツッコんだりしてた。
私のを見ると、「こういう事を書くかねえ…」と、ワンと言い合ってるし。
ワンに至っては「ボスをハグしたい」とまで言ってくる始末だ。


そして、アクセス出来なくなったデータをプログラムの基盤から捨てていた。

が、パス入れは4人に増やした。
ユタカとトモの他に、サトルとワンのも。
だけどパスを変えようと、ユタカが提案したのだ。
 「フィルもバカじゃない。勘づくと思うから、少し変えようか。」と言っては、この4人だけパスを変えたのだ。

誰のデータに、自分のDNAを誰の指紋と組み合わせ入力したのか。
それは分からない。
これで、トモとサトルとユタカが日本に、ワンが香港に戻れば誰もアクセス出来ない。


もう、これで更新は出来ません。
ジュンに許可を与えてしまった自分が、許せなかったユタカでした。


そう、パスもといパスワードとは・・・。
トモの指紋とDNAをセットしたもの、なんですね。


そして、さすがは3歳児の男児。
自分が蟻を持って来たのに、それをすっかり忘れて他の遊びをしに行ってたのでした。



※※ あさみからの、一言コメント ※※
友明の息子ジュンが持って来たモノ。
コンピュータルームに、そんなモノを持ってこないで!

ユタカが毒づくのも分かるけれど、それを許可したのは誰?
そうだよ、紛らわしい会話もしてるし…。
(-。-;)

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俺様ボスと私の恋物語 第2部 (37)

 もう…、泣けてくるなぁ…。と、ボソボソと呟きパスを入れては言ってきた。
 「で、もう1人は誰にする?」

ふむ…。
しばらく考えては、そいつの名前を言う。
 「潤!」
と言うと、ユタカは笑ってきた。
 「わははっ…、そりゃいいや。絶対に破られないな。すると、これが最後の更新になるな。」
そうだなと返した私は、潤を呼びに庭に出た。


そのコンピュータルームでユタカが呟いていたのは、誰も知らない。
 「でも、あいつらこれで良いのか。もう更新は出来んぞ。
しかも、トモの奴・・・。
本当に、俺様な文だな…。
しかも、何この最後のセリフ。
自分の母親の歌詞を丸々パクッてんじゃんか…。
っとに… この歌、私も好きな歌だから許してやるか…。
これ、あいつらに見せると泣きつくんだろうな。」



潤はどこだろうと思い、見回してると…、
5人姉兄弟の長男のヨウイチが。
孫が生まれるユウマが。
3人兄弟の長男のカズキの3人が、潤の遊び相手になってるのが見えた。
やはり、兄弟が多いと、子供の扱いが上手いよな…。
 「潤、ちょっとおいで。」
声を掛けると、3人が行ってらっしゃいと手を振ってる。

 「あ、そうだ…。あのデータ、あれで良いのか?」
皆に聞くと「もちろん、なんで?」と聞き返されて答える。
 「こいつに最終パス入れさせるのだけど…」と潤を指さす。
それを見て納得したのか。
 「なるほど、最終更新になるのか…。」
皆、分かってるんだな。
全員からOKと返事を貰ったのでユタカの所へ行く。

潤には手を洗わせ、コンピュータルームに連れて行く。
今回が最終更新になることを皆に言ったら、OKとの返事を貰った。
と伝えると「分かった」とユタカは言った。

そして、潤はユタカに言われるまま、そこにパスを入れていく。
博人さんのを含めた11人のデータに。
まだ小さい、自分の人差し指を当てて。

絶対に、誰にも知られないパスだ。
潤の人差し指の指紋と潤のDNAの遺伝子を一緒に当てはめてパスにする。
それは、遺伝子を6年間研究してきた私達10人だからこその、特別なパスだ。

なにやら潤とユタカは、2人でコソコソとしてるし…。
まあいいけど…、と思っていた。
その後、私だけでなく、サトルやワンも巻き込んでの大騒動に…。
 (そのとんでもない大騒ぎは、番外編にて。)


だから、あの時フィルに言ったんだ。
 『当てはまらない。 ・・・パスは私自身だから。』だと。
   


 そして、ここからまた始まる。

俺様風味なボスとなった私、福山友明(41歳)の話しが。

恋人である博人さん(55歳)を連れての話しが。
そして、息子である潤(3歳)も付け加えた話しが。



  告白するよ。

  君よ、そばにいて。
  これからも・・・。

  いつまでも、一緒だよ。
 













あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいいへ続く>>



※※ あさみからの、一言コメント ※※
第1部から続いた≪友明&博人≫編の最終話です。
第1部では64話あり、第2部では37話・・・。
101話という長い話しにお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

次は、番外編です。
友明の息子の潤が巻き起こしてくれては、大人を振り回してしまうという内容の話しです。
短いですが、読んでください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡
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あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい

18禁【あなたの体温(ぬくもり)は気持ちいい】
         ☆ジョン&レイ編☆(2014/10/28~2014/11/28)
ドイツにある、世界屈指の財閥フォン・パトリッシュ家の主人『御』のお側付きのジョン。
シンガポールのスペシャル病院の事務室長をしては、『ミスター』と呼ばれてるレイ。
この2人の話しとなります。
『御』の孫であるアンソニーの守り役としてシンガポールへ付いてきたジョンは、アンソニーがボスとして働くことになった病院で、一緒に働くことになる。
だが、ジョンの仕事は、アンソニーの守り役である。
そのジョンに、室長であるレイは目をつけては、何かしら言葉を掛けていた。
ボスであるアンソニーと口論をしていたジョンが、ある日ボスの守り役を放棄してしまった。
その放棄して恋人であるフィルを捜しに行ってた2週間、その間にアンソニーは行方をくらましてしまった。そのアンソニーを探し出すという、守り役の使命を自分で決めては、逞しく生きていくジョンのお話です。
 ※このジョン&レイ編は、『俺様ボスと私の恋物語 第2部』と、『貴方への想い、それは禁忌』との2作品ともに。
時系列に話しが交差してます※
登場人物紹介
1234567891011121314151617
18192021222324252627282930(R)
3132(R18)3334353637383940414243
44(R?)4546(R)47(R)484950(R?)51525354
 

18禁【俺様ボスと私の恋物語】
       ☆ 友明&博人編 ☆ (2014/8/22~2014/10/28)
  俺様ボスと私の恋物語 第1部(2014/8/22~2014/10/2)
  俺様ボスと私の恋物語 第2部(2014/10/2~2014/10/28)
18禁【貴方への想い、それは禁忌】
       ☆アラン&エドワード編☆ (2014/11/14~2014/11/24)
  貴方への想い、それは禁忌
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