BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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18禁!ネコの事情 ~あとがき~

いつも読みに来て頂きありがとうございます。

 『18禁!ネコの事情』は、如何でしたでしょうか?
ネコというか動物を飼っていないので、想像だけで書いた物語です。
ネコなのに人間さが出ていたりして…。
ネコの交尾って、どんな物でしょうかね?
想像の域を出ません。

元々、この物語は3周年記念の為にと思って書いたものです。
だけど、何かが違ったのですね。
なので、急に変更したのです。
 『君と交えた、このレアな日に感謝』という物語に。

今作も、途中で違う物語を挟みました。
 『「夏」と言えば。。。』という小説です。
友明と博人と豊の「夏」というお題(?)の様な作品でした。
そして、スイスにあるニースが舞台でした。
そこから中国経由で日本に帰国しようとしていたスズメこと村上洋一が乗っていた飛行機で爆死したという話に繋がります。


この村上洋一という人物に関して言えば、物語は繋がっています。
 『卒業、それは過去からの決別』から始まり、『桜咲き、春一番で桜散る』、『新入生歓迎会~活動編~』、『3周年記念特別SS 君と交えた、このレアな日に感謝』と。
そして、今作の『夏と言えば。。。』を挟んだ物語で、ざっくばらんに終わりました。

次に登場する時は、過去編としてですね。
まだ、死ぬまでの間の20数年間が空いてますので。


 「器(人体)が壊れても、魂(精神)は死なぬ。
だが、器が壊れたからこそ、人間は時間(とき)という縛から解放されるのだ。
早く、あの続きを書くんだな」

は、はいっ!
すっかりと忘れておりました(汗)。
いや、そのネタが・・・

アレ(宝石=いし)に怒られ叱咤されても、怯まずに自分のペースで仕上げていこうと思います。
ありがとうございました。

また、読みに来てくださいね。



  2017/9/2  あさみより







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18歳 !ネコの事情 (33) ※最終話は、Happy End ※

そんな飼い主二人に対し、2匹はダラダラとしていた。
さあ、数日分の仕事が溜まってるので、ヤルゾ!とヤル気満々のレモンは、時々、掻っ攫おうとしてくる小さい子ネコの手から商品を守ったり、お客さんへの挨拶を怠る事なく愛嬌を振り撒いてる。
その反面、リンゴは日向ぼっこをしていた。
何もすることが無いのもあり、眠くて眠くて仕方がないのだ。
 「フニャァ…」(眠う…)


リンゴが居るのは母屋の方だ。
これが離れの方なら、たくさんのネコに囲まれてただろう。
母屋は敷居が高く、リンゴにちょっかい出せれないのだ。
しかも、ドビーが母屋の入り口で睨みを利かしている。
なので、近寄りたくても迂闊に近寄れないのだ。

ドビーが寝るのを待つのみだが、その頃には、皆が寝入っていた。

温かい日差しが縁側を照らし出してくれる。
その温もりと、誰かに必要されているという満足感が、リンゴの心の中にある。



しっかりと耳に届いていた、あの言葉。
 「レモン、ありがとう。大好き」
ドビーが、リンゴを自分の背に乗せてくれた時、リンゴが言ってきた言葉だ。
なにか心の中がほんわかとなった覚えがある。

その言葉はケイにも言われる時もあるが、何かが違っていたんだ。
俺が守ってやるんだ、と自覚したものだ。



オトウの声が聞こえてきた。
 『レモン、お疲れ。ほら、ご飯とミルク。ドビーと3人分だよ。置いとくぞ』
 「ニャー」(ありがとう)



母屋の縁側に向かって声を掛けてやる。
 「リンゴ、ドビー。ご飯だよ。こっちおいで」

 「ありがと」と、リンゴが返してくる。
ドビーは珍しく困り顔をしている。
 「俺も良いのか?」
 「良いんだよ。俺が見張り役を頼んだんだから。ギャラは貰えよ」
 「ありがとな」


ドビーもそうだが、レモンもリンゴもネコだ。
食べたい時に食べ、遊びたい時に遊び、寝たい時に寝る。
自由気ままに我が道をいく生き物だ。
ネコの事情とは、そういうものだ。

だけど、ここぞ!という時は、正義を振りかざす。
喧嘩もすれば、甘える事もある。
怒られる時もあれば、逃げる時もある。


何事にも縛られないんだ。
結婚したから何だって言うんだ。
俺は、この仕事が好きなんだ。
たまにタワーで寝る時があっても、お客さんは「可愛い」と言ってくれる。
リンゴはタワーは怖いので近寄らないが、いつかは見せてやりたい。
眺めが良いんだよって。
その時は、俺も一緒に居るからな。


青リンゴ。
お前も男なら、逃げんなよ。

これが、俺たちネコの事情だ。


たまに偉そうな事を言ってくるレモンだが、根は優しいのだ。
ご飯を食べ終わった3匹は、リビングの隅に包まって寝ていた。
ここなら誰も来ないし安全だから、心配する事なく寝れる。

その3匹をモチーフにして、レモンの飼い主である啓はデッサンしていた。
そんな事は知らない3匹だった。




















  (完)



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読みに来て頂き、ありがとうございました<(_ _)>

18禁!ネコの事情 (32) ※CPは男子校の高校生&教師 ~緩い描写あります~※

本当はだらだらとしたかった啓だが、結婚した相手が教職員の為、引っ張られるように学校へと連れて行かれた。
最初に校長室、次いで副校長室、教頭室、最後に職員室へと向かった。
各々に土産を渡し、祝いの言葉を貰うと返す、という繰り返しをしていた。
その啓は、結婚した佳和に言っていた。
 「ねえ、帰って良い?」
 「何言ってる。授業受けないといけないだろ」
 「でも、もう1週間分ほど疲れた…」
 「気持ちは分かるがな…」
苦笑しながら佳和は応じていた。
 「仕方ないな。ほら、こっち向け」


職員室で何をするつもりなのか。
佳和は啓の顎に手を掛け、ぐいっと持ち上げると口を開けさす。
啓は、思わず目を閉じて唇を薄く開けた。
その唇の間に押し込んでやる。

なにやら固いものだ。
何を押し込んでくれたのかな…。

目を開けると、目の前にはニヤついた顔をしている佳和が居る。
 「どうだ…。ん?」
 「この野郎」
 「あと2個しかないが」
 「全部くれ」


素直にカバンのポケットからKit-Katを取り出すと、啓に渡した。
 「ちゃんと授業出ろよ」
 「わあってる」
 「寝るなよ」
 「国3の時間に寝るから大丈夫だ」
 「お前ね、なんで俺の授業の時に寝るつもりなんだっ」


職員室から出た啓は、思わず笑顔になっていた。
 「ふふふっ…、キットカット、キットカット…」
と、歌う様に口ずさみながら教室へ戻った。


教頭の声が聞こえてくる。
 「田村先生」
 「あ、はい。すみません、いちゃついてしまって…」
 「TPOをわきまえる様に」
 「はい、申し訳ありませんでした」




8月の、ある日。
村上啓は、義従兄の村上洋一の葬式を家族葬で追悼した。
なにしろ、啓の両親は洋一とは幼馴染であり、高校までは同級生でトーキング同好会というのを創設していた仲だったのだ。
父と母の言葉で、皆が黙とうする。
 「洋一…。最後の最後には、良い顔してたよな。来てくれて、ありがとな」
 「洋ちゃん、レモンやリンゴちゃんの結婚写真に写ってたから、連絡着たんだよ。良かったね、最後は笑顔で過ごせて…。洋ちゃん、そっちで親子喧嘩しない様にね」

チー………ン。


東の村上は医者で病院経営者。
西の村上は不動産屋。
職業の違いはあるものの、仲が良かった村上家だった。
それが、東の村上は再婚に再婚を重ねて、西の村上の五女と結婚して東西の村上は一つになったが、その五女は早くに死んでしまった。
そう、啓の祖母にあたる人物だ。
その妻が亡くなり、洋一の父親は結婚しなくなった。
それほどまでに、啓の祖母を愛していたのだろう。



レモンとリンゴは、洋一が死んだ事なんて知らない。
なにしろ、遺体は空の上で砕け散ったのだから、手元には来ない。



それでも、日は過ぎる。
哀しさはあるが、そんなにも悲しみくれる事は無かった。
なにしろ、高校生だ。
啓は勉強に忙しく、佳和も仕事に明け暮れていた。
いちゃつかない様に、オンとオフを区別する。








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そして。。。
ダラダラとしたがった啓は、引き摺られるようにして登校。
気持ちは分かるよ♪

そして、次話は最終話です。


18禁!ネコの事情 (31) ※医学部卒業生、集合。。。※

洋一は、しゃがみ込みレモンに言っていた。
 「レモン、お前の結婚写真を貰ったぞ。おめでとう」

見せてくれた写真をレモンはジッ…と見ている。
 「レモン、リンゴを大事にするんだぞ。男同士の友情は、何があっても崩れない。私は、そう思ってるんだ。レモン、私はね…、本当に色んな事があったんだ。
それでも、一番………。聞いてくれるか?」
レモンは、じっと聞き耳を立てている。
そのレモンを相手に、洋一は喋っていた。
 「私は、大学時代6年間ずっと一緒に居た人が死んだと聞かされた時は、驚いて何もする気は無かったんだ。だけど、生きてると分かった時は、本当に嬉しかったんだ。
私は、あいつの側に居たい。
結婚なんてしなくて良い。一緒に居たいと、そう思える人が居れば良い。
何度も結婚を繰り返してる奴も居たが、私は、そいつを許しはしない。
こいつだけ居れば良い。
そう思える人が一人だけなんだ。男だけどな…。
女なら結婚してるかもしれないが、私は、あいつが生きてるからこそ、側に居たいんだ。
分かりにくいかもしれないが…、レモン、元気でな」

 「ニャー」(スズメ、どした?)


腕時計に目をやり、洋一は立ち上がった。
 「それじゃ、又な」
 「洋一さん…」
今度は、義従弟達に話していた。
 「でもね、そうやって何度も結婚を繰り返してるからこそ、こんなに従兄弟が大勢居るんだ。
その点だけは嬉しいよ。皆、幸せにな」
 「ありがと。洋一さんも元気で、幸せにね」
 「ありがとっ。じゃーなっ」


だが、レモンはしつこい。
 「ニャー…」(スズメッ、行かないで)
 「はいはい、レモンも元気でな」
 「ニャ…、ニャ―」(行くな、行かないでっ)
 「私はね、東京行きの席を予約してるんだよ。もう行かないと」
 「ニャーッ」(行かないでっ)
そう言って、洋一のGパンの裾から見え隠れしている足に爪を引っ掛ける。
 「いてっ…」



すると、啓の両親が帰ってきた。
 「あれ、洋一」
 「ああ、お喋り野郎が帰ってきた」
 「お前ほどでもない」
洋一は自分の幼馴染でもあり同級生でもある、啓の父親と母親にiPhoneを開き見せた。
 「ほら、レモンとリンゴの結婚写真だ」
 「はっ?」
 「そういえば、リンゴちゃん。その恰好…」

啓は両親に声を掛けていた。
 「ねえ、お父ちゃんとお母ちゃんも一緒に写真撮ろうよ」
母は、言ってくる。
 「そうね、ちょっと待ってて」
そう言って、母屋に入って行った。
すかさず啓の兄は言っていた。
 「洋一さん、カメラマンよろしくね」

その言葉に、ガクッときてしまった洋一だった。


結局、洋一は特急に乗れなかった。
その家に泊まる事になったのだ。
だが、乗るべきはずだった特急は、JR駅を出発して数分後のトンネルを出た辺りで事故に遭ったのだ。救いは、乗客は、皆が無事だったという事だ。
 「え…」
 「乗らなくて良かったな」
 「ほんと、レモンのお蔭ね」

ニャッ!と、レモンは嬉しそうだ。

そんなレモンに洋一は言っていた。
 「レモンのお蔭だな。ありがと、レモン。でもな、明後日の飛行機で中国に行くんだ。
明日中には東京へ着かないと」
 「なら、車で送ってやる」
 「でも…」
 
渋る洋一をよそに、啓の父親は皆に聞いていた。
 「東京見物しに行きたい人ー」

はーい、と手を上げたのは皆だ。
そんなにも乗れません!と言われ、学校組は残り、真面目に学校へ行く様に言われてしまった。


啓の両親と兄が、洋一を東京まで送ってくれた。
明日のフライトに間に合えば良いので助かった。
 「ありがとな」
 「いえいえ。俺たちも久しぶりの東京だからな。今日は一緒に遊ぼう」
 「チェックインするから、待ってて」
 「はーい」

高校までの同級生と、その長男と一緒に遊んだ洋一は、次の日、空港に向かった。
それじゃ、と手を振り洋一は中国行きの飛行機に乗る為、ゲートの向こうに行った。


2時間後、飛行機は離陸した。
それを見送って、3人は新潟へ帰った。
そして、数ヶ月経った8月中旬。
テレビでは中国から日本の羽田行きの飛行機が爆発した事を緊急放送していた。

死亡者リストには、見覚えのある顔と名前があった。

村上洋一、享年63歳。

たまたま、その飛行機には要人が乗っており、その要人を抹殺する為に撃破されたものだった。
中国経由で帰国しようとしなければ、まだ生きてただろう。

死んだという知らせが届いたのは、彼の持ち物に写真があったからだ。
2匹のネコを中心に洋一も一緒に記念写真として撮影していた写真と、7月に流星群を見に東京まで行って、皆で戦闘機を背景にして撮った写真。
それと、もう一枚。
スイスのニースで撮った写真だ。
その集合写真を元に、財政界に顔が効く人物たちである村上啓と、大学時代の仲間であるサトルとマサとユタカとジュンヤの家に連絡がいったのだ。
洋一の父は既に他界していた為、実家は既に無いからだ。


パースに連絡が届いたのは直ぐだった。
テレビで流れたのを見て驚いたユウマから知らせを受けたのだ。
 「ボス…」
 「サメと同じ所に寝させるか。一緒になって話に花を咲かせて、私の母から煩いと、言われ続けられては嫌がられるだろうよ…。本当に、賑やかになるだろうな…」
その言葉に、ユウマもだが、その場に居た皆は頷くしか出来なかった。

だが、サトルは知らせを送る事は出来ずに蹲って呟いていた。
 「あいつは…、あいつは、ずっと右腕かよ…。
どんなに足掻いても、右腕になれないじゃないか…。
あの、お喋り野郎が…」

そう呟くと意を決したのか、サトルは立ち上がり中国の方を向き足を肩幅まで開き腕を組み冷笑を浮かべる。
だが、学生時代の様に上手くいかない。
何故なのかは分かっている。
それでも構わず、涙を拭う事もせず、きっぱりと言い切っていた。
 「それなら、私は、ずっと左腕を死守してやる。
良いか、スズメ。
私たちは永遠にボスを真ん中にしての両腕だ。
誰にも、この左腕という位置は譲らない。
そこで、サメと喋り続けてろ」




カズキとワンは、それぞれの居場所からテレビを見て驚きを隠せなかった。
カズキは何も言えず、これだけだった
 「スズメが…、あいつが、一番先に死んだ、だなんて。。。」

ワンなんて、あっさりしている。
 「お喋り野郎は、自分が、その要人だという自覚はないのだろうな。
だが、これであいつ等を潰すチャンスがきた。
見てろよ、スズメ。
お前の弔い合戦をしてやるからな」



家庭環境に恵まれなかった村上洋一は、仲間には恵まれていた。
大学時代のゼミの教授であるサメと似た環境の持ち主だったのだ。

だが、中国にある洋一の亡き母の実家は、中国に影響を及ばす家系だった。
それは、ユタカにも知る術は無かったのだ。
一体、誰が何のために隠していたのか。

知ってるのは、香港人であるワンだけだった。

ただ、それは洋一の母ではなく、祖父や叔父に当たる人物のこと。
そう、武闘家の林家。
その最後の師範であるリンと、リンの父親だ。

幼少期はイタリア隊員をしていた黒豹ことリンが、病で死ぬまでに起こしたベンチャー企業。
その企業の末裔が、洋一なのだ。

しかし、これで林家の血を引くものは誰も居ない。
なにしろ、あの黒豹の姉妹も家族も既に他界しているからだ。

脅威になる敵は、全員が死亡した。









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洋一は、永遠の眠りについた。
お喋り野郎、スズメと呼ばれた60余年の人生でした。

でも、通知が届いただけでも良かったね。


18禁!ネコの事情 (30) ※結婚記念撮影※

タイミングよく、元気の良い声が聞こえてきた。
 「こんにちはっ。誰か居ますか?」

その声に、啓とレモンは反応した。
 「あ、洋一さんだ」
 「ニャー」(スズメの声だっ)

レモンを抱いたまま啓は家の玄関に向かった。
 「洋一さん、いらっしゃい」
 「おー、啓、帰ってきてたのか」
 「はい。今朝、帰ってきました」
 「お帰り」
 「ただいま」
その時点で気が付いた啓は洋一にレモンを手渡した。
 「お土産があるんだ。レモンを抱いて、待ってて」


母屋に入って行く啓を見送って、ヨウイチはレモンに声を掛けた。
 「元気か?」
 「ニャッ」(うん、元気だよ)
 「ビザも下りて、明後日には中国に行くんだ。元気でやれよ」
 「ニャー…、ニャッ?」(ちゅー…って、何?)
 「今度、ここに帰ってくる時は10年後だ」

啓が土産を手に、庭に出てきた。
 「お待たせ。洋一さん、お土産です」
 「ありがとう。啓、私は明後日には中国に行くんだ。その後はスイスに。その挨拶に寄ったんだ」
 「え、中国とスイス?」
 「ああ、母の墓参りと大学仲間とスイス旅行さ」
 「洋一さんのお母さんって、中国の方なんですね」
 「そうだよ。私は日中のハーフだからね」
 「スイスって、また遠くへ…」
 「ん、スイスのニースなんだ。ニースの海って日本より気持ち良いだろうなあ」
ケイの弟が反応した。
 「えー、良いなあ。兄貴、ケイ兄、俺等も今年の夏の避暑地はスイスにしようよ」
 
その言葉に、兄2人は返していた。
 「その前に、うちの家はスーパーとかコンビニなんだからな」
 「ちぇっ…、ったく、しょうがねえな」


するとレモンは洋一の腕から飛び降り、近くに寄ってきたリンゴの隣に駆け寄った。
 「ニャー、ニャニャニャッ、ニャニャ―」(ねえ、スズメ。俺の嫁さんだよ。見てみて)
洋一は、2匹を見て納得した。
 「おー、可愛い子だなあ。そっかあ、結婚したのか…」
どや!という表情のレモンを見て洋一は驚いていた。
 「そっかー、私は一人身を堪能するよ。結婚おめでと。
10年後には、お前の子供か孫と、ごた………。ん…、タマ?」
洋一はリンゴの腹を擦ってるうちに気が付いたみたいだ。
 「レモン、お前さん、もしかして男同士で結婚したのか?」


啓は口を挟んでいた。
 「洋一さん、そいつリンゴだよ。覚えてる?」
 「ほえっ?リンゴって…、あ、あの繊細な神経を持ってたリンゴ?」
 「そうそう、披露宴パーティの時、レモンと一緒に世話してくれてたリンゴだよ」
 

それを聞いて、洋一はレモンとリンゴを見る目が優しくなった。
 「そっかあ…。お前、あの時はビクついていたけど、少しずつ成長してんだな。
おめでとう、リンゴ。幸せにな」
この人の目つきは優しいし、なんとなくだがレモンが擦り寄って懐いてるのが分かる。
なので、リンゴは返したのだ。
 「ニャー」(ありがとう)
洋一はレモンとハイタッチしてやる。
 「そっか、そっかあ…。レモンもおめでとう。お前、あのパーティの時は、ずっとこいつを見てたもんなあ。気になる相手と一緒に居れるというのは嬉しいもんだよ」

レモンは、嬉しそうに擦り寄って行く。
 「これで、心置きなくパースに戻れる。お前等、元気でな」

その言葉に、啓の兄は聞いていた。
 「洋一さん、また行くの?」
 「ああ。パスポートとビザの更新に帰ってたからな」
啓の弟も聞いてくる。
 「あっちに行くと、結婚話なんて無いでしょ?」
 「中華料理店をやってるんだ。結婚なんて、まだまだ先の話だ」
 「そういう事言ってると、貰い手がなくなるよ。それに啓兄の披露宴パーティの時、小母さん連中が見合い写真持ってたよ」
 「だろうな。私は、レモンとリンゴと一緒に控室に居たからな。ま、私の代わりにもみくちゃにされるんだな」
 「嫌だなあ。俺、高校生になったばかりだよ…」


レモンとリンゴ。
そのまんまでいろよ。
そう言って、洋一はiPhoneを取り出すとカメラアプリを起動した。
2匹を撮っていた。
 「ああ、そうだ。記念撮影してやるよ。皆、入って」


そう言われ、皆は2匹のネコを中心にして座った。
啓はレモンの右隣に、佳和はリンゴの左隣。啓の兄と弟はレモンとリンゴの後ろに座る。
洋一の元気な声が合図を送る。
 「ハイ、スマイルッ!」

2枚撮り、皆にデータをBluetooth経由で渡す。
すると、啓の兄は自分の部屋から仕事用のカメラを持ち出して来て、洋一を含めた集合写真を撮影し、洋一に渡した。


 「ありがとう。それじゃ、そろそろ東京に行くから」
 「10年後でなくても良いから、また帰ってきてね」という啓の言葉に、洋一の目は潤んできた。
 「ありがとう。あの二人に、よろしく伝えて」
 「元気でね」
 「お前等もな」


だけど、レモンは何かを感じ取っていた。
Gパンの裾を引っ掻き、鳴きついてきたのだ。







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はい、またまた登場のスズメこと、洋一です。
従兄弟同士での会話と、結婚写真の撮影の図ですね♪


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