BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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俺の気持ちはブレない (45) 第一部最終話

政行は翌日の昼前まで、ぐっすりと寝ていた。
左肩が、左腕が痛いし動かない。
それでも右側は全く何とも無いので、右手だけで顔を洗い歯磨きもする。
腐るものは置いてないし、何も買ってないから衛生面では大丈夫だ。
ああ、入院に必要な物を用意しないといけないや。
でも、埃だけでもと思い、ロボット掃除機のルンバに掃除させる。
ルンバに掃除を任せてる間に、何か食べようと冷凍室から冷凍炒飯を取り出す。
右手しか動かすことが出来ないので袋を破る事も出来ない。
ハサミを持って切る事は出来るが、皿洗うのも出来ない事に気づき食べに行く事に決めた。

 「ふ…、う…。お、おかー、ちゃん……」

外食をした事が無いのもあり、どこで何を食べようと思って2階の玄関から出る。
ばったりと嘉男と会った。
 「昨夜は大丈夫だったか?」
 「うん、大丈夫だったよ。着替えも出来たし…。お腹空いたから食べに行こうと思ってるんだ」
 「一緒に行こう」と言ってくれたので、安心して任せた。



食後、高瀬が迎えに来るまで、嘉男と入院準備をしていた。
ふと考えが思い付く。
そういえば、スーツケースの中身をそのまま持って行けば良いだけの事だ、と。
あと必要なのはスリッパに洗面用具一式、箸、フォーク、スプーン、コップ、水筒。
タオル、バスタオル、バケツとお金だ。

 「さて、出とくかな…」
 「政行…」
 「はい?」
振り向かせられ、キスされた。
直ぐに唇は離れるが、思わず泣いていた。
 「ふ…、えっ……」
 「政行、キスしたい」
 「キス、だけだよ?俺、俺は…、俺は、3人に…」
そう言うと、直ぐに口づけられた。
激しく口内を貪られる。
キスだけで腰が抜けていく…。
抱きしめたい。
抱きしめたいのだけど、右手しか動けない。
 「よ…、し…」

乳首を噛まれる。
 「はっ……」

立ったままでは無理だ。
 「よし…、お……、ん…」


昨夜は嘉男さんの部屋で風呂に入り、一緒に寝てた。
だけど、俺は途中で目が覚めて自分の部屋に戻って来たんだ。
痛みに耐えられなくて。
泣くのは自分の部屋で、と思ったからだ。

嘉男さん。
俺は3人の男にヤラレたんだ。
これ以上、他の男に触られたくない。
 「ふ…、んっ…」

激しく深いキスに酔ってしまいそうだ。
 「嘉男さん…、俺、悔しい…」
 「ああ、泣け。思いっきり泣けば良い」

そう言われ、俺は両手でしがみ付いてる気持ちで、右手でしっかりとしがみ付いて泣いた。
ブザーが鳴るまで、しがみ付き泣いていた。

 「高瀬だ。顔洗わないと何か言われる」

顔を洗いすっきり顔になった政行は、2階の玄関から荷物をコロコロと転がしながらエレベーターで下に降りる。
 「まあ、帰って来たばかりで荷解きしてなかったから楽だったよ」
 「そうだな。これがカバン探しから始めないといけなかったら大変だよな」
 「それ、嘉男さんの部屋でしょ。俺の部屋は汚くないから」
 「このやろ、言ったなっ」


エントランスから出ると、高瀬の車は車寄せに停まっている。
政行に気が付いた高瀬は駆け寄ってくる。
 「大丈夫か?」
 「うん、大丈夫だよ」
 「身体もそうだが、俺が言ってるのは」
 「だから大丈夫だよ。泣けたから。ありがとね、高瀬」


泣けたから。
その言葉に何か引っかかったが、高瀬はそれ以上は何も言わなかった。



退院したのは、2週間後の8月下旬。
まだ夏だ。
その入院していた間に、1回目の裁判があったみたいだ。
示談では無く、刑事裁判だ。
それに、セキュリティビデオに映ってた政行はユニフォームに着替えていたので、はっきりと仕事中だと言える恰好をしている。

それに、離婚は成立していたのだ。
政行が家を出て4年後の10月。
そう、オリンピックの年だ。
桑田宗一の母親がやったやり方で、政行の父は離婚していた。それからは間借りをさせていた、と法廷で話した。一部屋に付き10万を部屋代として貰っていた、とも。
それは、宗一の実の父親から貰っていた。
その気になれば簡単に探せられる。なにしろ、あの連中は色んな方面に顔が効く。
政行は見舞いに来た執事から、それらを教えて貰った。
詳しい事は父親から教えて貰った。


義弟だと言ってる宗一とは一滴も血が繋がって無い。
義母だと言ってる、あの女とは10年弱しか暮らしてない。
そして、会社の跡継ぎの候補は既にいるとの事。
 「私が、自分の金を出す相手は、自分が認めた人間だけだ。
それはお前と執事だけだ」
少し考え、政行は聞いていた。
 「あ、あの子は?」
 「あの子の実の父親が出してる」
 「そう…」


父親は何を思ったのか、いきなりとんでもない事を言ってきた。
 「退院したら、リハビリを主にしている所に1ヶ月ほど行くからな」
 「え…、リハビリセンターみたいな所?」
 「ああ、パースにある」
 「パース?パースって、どこ…?」
首を傾げる政行に、父はさらりと言ってのける。
 「オーストラリアの西側にある。シンガポール寄りの方で」

だが、政行は遮っていた。
 「オ…、オーストラリアッ?」
 「お前なら言葉は理解出来るだろう?」
 「オーストラリア…、コアラ…」
 「あー…、パースにはコアラは居ないかもな…」


なんだって急にオーストラリアなんだ?
政行の心の声が出ていた。
 「日本には無いの?」
即答だった。
 「パースには知り合いがやっている」


その父親はウキウキして言ってくる。
 「お前に付いて行くのは私だ」
 「え…、仕事は?」
 「その為に秘書が居るんだ。それじゃ、お前が退院するまで仕事を調整しておく」



なにやら、本決まりみたいだ。

その事を嘉男さんにメールで知らせると、電話が掛かってきた。
 『パースには、同期で卒業した医学部の人間が居るらしいよ。
俺の父親と大の仲良しが3人居るらしい。
で、なんだ?もしかして本決まりか?』
 「父親と一緒にね」




退院して10日後の9月中旬。
桑田父子と新田父子は、オーストラリアにあるパースに着いた。
 「俺、オーストラリアなんて初めてだ」と、嬉しそうな表情の政行。
 「俺も初めてだよ。しかし、寒いな…」と、嘉男も楽しそうだ。
悪戯っ子の様な表情をして言ってくる嘉男の父。
 「急に行ったら驚くだろうな」
その言葉に、政行の父がこう応じる。
 「ボスは他の奴等には言ってないってさ」
 「ふっふっふっ…、ユタカとワンとスズメの反応が楽しみだっ」
 「マサの反応も楽しみだな」


 「取り敢えず、今日は入院初日だから、12時にスズメの中華店な」
そう言って、桑田父子は新田父子と別れ、クリニックへと足を向けた。















第二部へ続く



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俺の気持ちはブレない (44)

政行がレントゲン室からロビーに戻ってきて10分後、結果説明を嘉男と共に聞いていた。
 「申し上げにくいのですが…。暫らくの間、ドクターストップを掛けさせて貰います。
右側は全くの無傷で大丈夫なのですが、様子見として2週間程、検査入院して下さい」
 「え、何処で?」
 「ここで、です。何かご不便でも?」
 
マンション近くの病院をと思ったが、政行は思い直した。
 「いえ、大丈夫です。何時からですか?」
医者はカレンダーを見ながら言ってくる。
 「明日、部屋を用意しますので」
 「それなら、明日の夕方からですね」
 「そうですね。宜しいでしょうか?」
 「はい、お願いします」


ロビーに出ると、嘉男は声を掛けてくる。
 「政行…」
 「勝手に決めて御免なさい。でも、あの家の騒動をマンションの近くで起こしたくない。
これ以上、巻き込みたくないんだ…」
 「その気持ちは分かるよ」
 「御免なさい、それとありがとうございます。
マンションに戻ったら入院に必要な物を用意しないとだね」

駐車場に向かいながら政行は聞いていた。
 「ところで、どうやってここに来たの?車?」
 「あの秘書の車」
 「高瀬か…、うーん…、まだ居るかな……」
 「それとも、家に来るか?」
 「家って…?」
 「親父の家」
 「え、何で…」
 「俺の車は、親父の家に置きっぱなしにしてるんだ」
それを聞いた政行は引いていた。
 「なんか危なさそう…」
 「言ったな。ま、運転手は俺では無いがな」
 「あ、でも爺ちゃんセンセーに言いたいから戻る」


二人して桑田邸に戻ると、政行の父が居た。
 「え、なんでこんな時間に…」
 「執事から連絡貰った」
 「明日から2週間、入院するから」
 「君は、新田の息子さん?」
 「はい、そうですが…」
 「家の事で巻き込んでしまい申し訳なかった。悪かった…」
深く礼をしてくるのを見て、嘉男は言っていた。
 「俺は億単位の金を用意しろと言ったのですが…。払って貰うのは、あの女です」
嘉男は件のビデオテープを渡した。
 「これの元はセキュリティ会社や、うちの会社にもあります。先程行った病院の先生にも見て貰いました。お渡ししますので、持っていて下さい」


政行の父はそのビデオの包装を見て呟いてる。
このマークは、あいつの所か…。

嘉男の顔を見て言ってくる。
 「ここのは信頼に値する所だ。どの様にして、ここと契約したんだい?
もしかして父親絡みかな?」
その言葉に嘉男は素直に返した。
 「はい、父親絡みです」

成程、5人の中では、あいつが一番仲良かったからな…。



そう、そのセキュリティ会社とは…。
独特のマークが付いているのだ。
Satoru_banner.jpg
 
変なマークだけど、これは立派な印だ。
訳すと、こうなる。
 『Satoru_F_Yamaguti』

たしか、私も作って貰った事あるな。
あの時は、新田が頼んで作って貰ったっけ。
桑田耕平をローマ字Ko-hei_Kuwadaにして、あるフォントに変えて作ってくれたらしい。
Ko-hei_Kuwada.jpg
 
自分を含めた5人は、こいつのマークを4年間見てきた。
再び目にすることが出来、政行の父は過去に思いを馳せた。

 「医学部であり大学ボスの左腕である、日米ハーフのサトル」
そいつは、そう呼ばれていた。
お澄まし野郎とも呼ばれていた。
たしか、今は自分でコンピュータで仕事をしているらしい。




 「あ、爺ちゃんセンセー」
政行の声が物思いに耽っていた父親を現実に引き戻した。
 「いかがでしたか?」
 「明日から2週間入院するから、心配かけて御免なさい」
 「高瀬様が、まだいらっしゃいますよ」
 「何処に?」
 「南の庭園です」
 「ありがと」


政行は嘉男に右手を差し出す。
嘉男は、なんとなく分かるが、それでも聞いていた。
 「なんだ?」
 「手を引いて」
 「甘えん坊が…」
 「違うよ、俺様になってみたいの」
 「ったく、こいつは…」

高瀬を見つけて入院する事を伝えた政行は、高瀬の運転する車で仕事場に戻った。
なにしろ、荷物は仕事場に置きっぱなしだったからだ。



俺の気持ちはブレない (43)

その女は言ってくる。
 「良い格好ね。男が男に横抱きされるとはね…。それとも、その男の許に嫁として嫁ぐ?
それでも良いわよ」

だが、政行は黙っている。
その女は高瀬に向かって言う。
 「ほら、あの子は連れてきたわよ。その子を離して、離しなさいっ」
そう言われても素直に離さない高瀬は、政行を心配そうに見ている。
 「政行、怪我は?あの金槌で叩かれたんだ。無傷という訳でない筈だ」
その言葉に、政行はこう応えた。
 「高瀬、その女は誰?」


おーほほほほっ…。
甲高い笑い声が聞こえる。
 「そうよね、まともに会ったのは、今で二度目だもの。分かるわけないわよね。
でも、私は分かるわよ。テレビに出たり注目されて有名人なんだから…」
その女は高瀬に噛み付く様に声を荒げた。
 「ちょっと、いい加減にその子を離して。宗一、そいつから離れて、こっちにいらっしゃい」
高瀬は宗一を突き飛ばして政行に駆け寄ると、嘉男に代わりに抱くと言ったが、嘉男は拒否る。
この言葉を言い添えて。
 「こいつの腕は動かない。もう二度と泳ぐ事は出来ないだろう」
 「な……」

高瀬は5人の男をキッと睨んでは、今迄に無い低い声を出す。
 「貴様等…、なんて事を。こいつを誰だと思って…」
二人は即答した。
 「能無し坊ちゃんだろ」
 「能無しは邪魔だろ」
だが、三人目はとんでもない事を言ってきた。
 「俺達3人で、そいつをマワしてヤッたんだ。俺達のモノを咥えてイイ声出してたぞ」

政行を抱いてる嘉男の手には力が入る。
痛い位の力で抱かれてる政行には、聞きたくも無い言葉だ。
高瀬も驚いて目を瞠っている。
だが、その女は笑っている。
 「ふふふっ…。男辞めて女になったら?
ああ、そうだ。何処に住んでるの?居場所は分かるけど、住んでる所が分からなくてね…。
手を出したくても出せれなかったのよ」

政行は、ずっと黙っている。
しびれを切らしたのか、その女はキツイ口調になってきた。
 「答えなさいっ!私は、あんたの親よ。義理とはいえ、親なのよっ。子供の居場所や住んでる所を知るのは当然でしょっ!」
高瀬が先に口を開く。
 「知ってどうする?あんたの息子がボスの子供でないという事は知ってるぞ。
そいつの実の父親から養育費を踏んだくり、ボスに認知させたように見せかけて…。
一体、何が目的だっ」
 「世の中は金が全てよ」
 「政行を、ここから追い出したのは…。ここを牛耳る為か…」
 「当たり前よ。品のある物言いにスマートな物腰に丁寧な言葉遣いの使用人。
そして見目の良い夫と秘書。私のハーレムにするの」

その言葉を聞いて堪忍袋の緒が切れた。
思わず口にしていた。
 「出て行けっ!」
高瀬では無く、政行の声だ。
 「何…、誰に向かって」
 「お前にだ。反吐が出るっ」


執事の声がする。
 「車と病院の手配をしました」
 「爺ちゃんセンセー、俺は」
執事は、有無を言わさず嘉男に頼む。
 「新田様、一緒に行って下さいませんか?」
 「分かりました。それでは行かさせて貰います」

嘉男は政行を抱いたままだ。
 「大丈夫だよ。仕事場で怪我をさせられたんだ。労災に保険も下りる。
それに、慰謝料や迷惑料もね」
 「別に金が欲しいわけでは」
 「政行。お前の身体は、お前だけのものでは無いんだ。うちの『MEN'Sスポーツジム』を始め、日本のみならず全世界を背負っている身体だ。医師の診断で泳ぐ事は出来ないと言われると、億単位の損失が出る。
その金を、あの女は払う義務になる」
そう言うと、嘉男は女に向いて言う。
 「最後に一つだけ言っておく。
その損失額の数億…、いや数十億にもなるだろうの金を私の会社に払って貰う事になる。
用意しておくんだな」


嘉男は政行を抱いたまま用意された車に一緒に乗り込むと、車はその邸を後にした。




この病院に来るのは久しぶりだ。
なにしろ大学を卒業して以来、来てない。
それに、今は片道1時間掛かる場所に住んでるからだ。
今はスポーツジムの1階にテナントとして入ってるクリニックと、アサミコーチの兄が院長をしている病院に通ってる。
行きの間、二人とも黙っていた。
何を言えば良いのか分からなかったのもある。
病院の駐車場に着くと、温厚そうな男が声を掛けて来る。
 「久しぶりだね。君の活躍はテレビで見させて貰ってるよ。
爺ちゃん先生から大まかな事は聞いたが、まずはレントゲンを撮らせて貰うからね。
出来れば一人で歩いて貰いたのだけど…、無理かな?」
その時に政行は気が付いた。
そういえば、ずっと抱かれたままだ。
 「ご、ごめんなさっ…、重かったですね、ごめんなさい…」
くすくすっと笑いながら嘉男さんは言ってくる。
 「うん、重かったよ」
 「ごめんなさい…」

 「一人で大丈夫か?」
 「でも、待ってて」
 「ああ、行ってらっしゃい」

その医者は言ってくる。
 「詳しい事を聞きたいので、貴方にも話を聞きたい」
そう言われ、嘉男はカバンの中から取り出し渡した。
 「これに映ってます」

セキュリティビデオだ。
しかも、そのマークを目にしたのか医師は呟いてる。
 「このマークは…。なるほどね」
嘉男に目を向けて言ってくる。
 「それでは、一緒に見ましょう」


何度も見たくない、一度だけで良い。
本日、二度目のビデオ観賞の嘉男だった。


俺の気持ちはブレない (42)R18!性描写有ります。18歳未満&抵抗のある方はご遠慮ください

※R18!!4P描写!18歳未満&抵抗のある方はご遠慮ください※


 「ああ、やっぱりこいつ気持ち良い」と、下半身に齧り付いてる奴が言ってくる。

左側の乳首と脇に齧り付いてる奴も言ってくる。
 「こいつ、気を失ってるだけだな。心臓は動いてる」
 「それは良かった。人殺しにはなりたくないからな」
と、右側の乳首と脇に齧り付いてる奴は応じる。

暫らくすると、下半身に齧り付いた奴は言ってくる。
 「おい、こいつの中に挿したいから、押さえとけよ」
 「気を失ってるんだよ」
 「お前、何処をどうすれば良いのか分かってるのか?」
下半身野郎は鼻で笑って言ってくる。
 「ふっ…、俺は男だぞ。男の身体は、男が一番よく知ってる」
そう言って、そいつは手始めに指を突っ込もうとしてる。
 「おい、こいつはホモだ」
 「は?」
 「直ぐに解れた」
指の本数を増やし、3本を一気に挿し込む。
政行の身体は微かだが動いた。
 「おい、こいつにイイ思いさせてやる。胸を舐め回せ。キス出来るか?」
 「胸なら良いが、キスは…」
 「なら、胸を攻めろ。俺は、この中を攻める」


どれ位経ったのだろう。
何時の間にか下半身を攻める人間は変わっていた。
その二人目が政行の中に放った後、政行は目を薄く開いた。
 「っ……」

声がする。
 「お、お目覚めだ」
 「へへっ…、イイ身体してんだね、お前」
 「今度は俺だ。早く代われっ」

三人目の男が跨る。
 「今、そいつがヤッタのを掻き出してやる。お前、本当に良い身体してんな」
今度は俺だ。

そいつは政行の上に乗っかると乳首を甘噛みしてくる。
 「っ……」
 「へ、声聞かせろっ」

そいつの手は政行の窄まりの中に入って突いてくる。
え、なんで…?
なんで、苦痛が無いんだ…。
なんで、こうも許してしまうんだ。俺の身体、どうなったんだ?


そんな政行の思いとは反対に、上に乗っかってる奴は段々と下半身に唇を這わせてくる。
嫌だ…。
だが、身体は反応している。
そいつは腹を吸って政行のモノを扱いて舐めてくる。
 「くぅ…、や、め」

だが、そいつは指で無く固くなった男のモノを政行の窄まりに当てがい、挿し進めてくる。
 「ぅぅ……」

自分の身体がすんなりと他の男のモノの侵入を許してしまうのが分からない政行はパニクッてしまっていた。
他の一人は政行の腕を押さえつけて耳朶を舐めたり、もう一人は首筋に吸い付いてる。
 「ん、や、ぁ…」

身体が言う事を聞かない。
動かせないのだ。
押さえつけられているというのもあるが、それ以上に何かが違うのだ。
身体が熱い。
 「ふ…、ふ…」
 「は…、声、もっと出せ…」

その男はスピードアップさせると、そのまま政行の中に放った。
 「ぐっ…」
 「あっ…、あ!」

政行は信じられなかった。
 「あ……」
(嘉男さん、俺、俺は……)


声がする。
 「へ…、女じゃあるまいし、涙出すほどのもんじゃないだろ」



その頃、車外では、美那狭は奥方から電話を受けていた。

ガチャ…。
ドアが開く。
美那狭は乗り込んで言ってくる。
 「電話があった。そいつを屋敷に連れて来い、ってさ」
 「みなせ、こいつ目を覚ましたぞ」
 「俺が運転する。お前等は仕切りの後ろで寝とけ」と言ってきたのは、美那狭と同じく車外に出ていた徳川だった。

その三人は呟いてる。
 「車ん中で着替えか…」
 「狭いよな…」

今度は政行に言ってくる。 
 「ホットタオルなんざ無いから、そのままで居ろ」
 「いや風邪引かせたら、駄目だろ。まあ、せめて服は着せてやる」
 「お前、良い身体してたな。俺達のを咥えてたんだからな」
美那狭は腹立ち紛れに怒鳴りつけている。
 「お前等いい加減にしろっ!それ以上何か言ったら、東京湾に沈めてやるからなっ」



それから一時間後。
車は閑静な住宅地にある一軒の屋敷に着いた。
その屋敷を見て、政行は驚いている。
(どうして、ここに?)

 「おら、とっとと出ろっ」
 「良い。俺が連れて行く。お前等は部屋に戻ってシャワーでも浴びるんだな」
三人が車から出ると静かになる。
美那狭は、政行に声を掛けて来る。
 「手を貸そう。動けないだろ?」

悔しいが、身体は動かない。
それに、屋敷の中に入りたくないので、この車からも動きたくない。
どうして、ここに連れて来たのだろう…。

美那狭は中々動こうとしない政行の身体を抱き上げる様に横抱きにしようとするが、政行はそれを拒否した。
 「まあ、男だもんな。横抱きされたくないよな…」
政行の背からそっと静かに押して車外から出そうとした徳川は、異変に気が付き声を掛ける。
 「美那狭、誰かを呼べ」
 「どういう意味だ?」
 「出来るなら、ガッシリ系の奴」
 「徳川?」
 「下手すると、こいつは……、動けない」
 「え…」
 「ここの運転手でも良いから、早くっ」


美那狭は執事を見つけると手を借りたいと言って、執事を車寄せに連れて来た。
政行を一目見ると、思わず口走っていた。
 「坊っ…ちゃ…」

政行は執事を軽く睨んで言ってくる。
 「爺ちゃんセンセー、俺はここに居たくないんだけど?」
 「そうでしょうよ。どうして戻ってこられたんですか?」
 「こいつ等に聞いて」
政行は執事に腕を差し出そうとしているので、執事はその腕を取る。途端に分かった。
 「このまま病院に行きましょう」

だが、美那狭と徳川が反論してくる。
 「奥方から連れて来い、と言われてるんだ。病院は後だ」

溜息を吐いて執事は言ってくる。
 「新田様のご子息が来られてます。呼んで来ますので、お待ち下さいね」

政行は、その言葉を聞き嬉しいのだが、どんな顔をして会えば良いのか分からないでいた。


嘉男は政行の顔を見て安心して「お帰り」と言いながら両腕を前に出す。
 「新田様、腕が動かないので横抱きでお願いします」
 「え、腕…?」
驚いて政行の顔を見つめている嘉男に、政行は「ただいま」と言ってその腕に抱かれた。



一日ぶりに感じる嘉男の温もり。
政行は何も言わずに、大人しく抱かれていた。

嘉男に横抱きされたまま、政行はオープンテラスから続くゲストルームへ入る。そこからパーティホールを横切り、どこかの部屋へ入って行く。
そこには、既にシャワーを浴びて小ざっぱりした三人も居る。
その奥には女が1人。
その女の向かいには、高瀬が誰かを後ろ手に縛って仁王立ちしているのが目に映った。



俺の気持ちはブレない (41)

日本に戻って来た政行は、嘉男と共に仕事場に向かった。
空港でのインタビューを終えて疲れを感じたが、それでも若い。
仕事場には昼前に着いて、そのままスタッフルームに入り、元気に挨拶をする。
 「ただいま帰りました」
 「お帰りなさい」
サガミコーチが先に応じてくれた。
アサミコーチが顔を出して挨拶を返してくれた。
 「お帰りなさい。テレビ見てましたよ。おめでとうございます」
 「ありがとうございます。お土産、皆でどうぞ」

 「おー、一人一箱ずつだっ」
 「頂きますっ」

政行はユニフォームに着替えて、ジムの方にも忘れずに土産を持って行く。


高瀬は一度会社に戻って顔を出したが、政行のマンションに向かう為に直ぐに退社した。
どうやら、同じ便で帰ってきたみたいだからだ。



いつ戻ってくるのか分からないが、スタッフ専用口を見張っていた5人はテレビで見た顔が元気そうにスタッフ通用口から入って行くのを見ていた。
さあ、いつ実行に移すか…。
 「殺すのが一番良い。だけど急所を狙って致命傷を負わせて、そのまま放っていても良い」
そう言われたのだ。
殺すよりは気が楽だ。
美那狭は短刀を、4人の内二人はナイフを、そして残り二人は金槌を手にしている。


ジムからプールへ戻る時、壁に掛けられてる自分のパネルに目がいき、今回撮ったのをパネルにしようか等と考えていた。
人の気配を感じ、政行は振り向く。
ガシャッ…。
と、ガラスが割れた音がした。政行自身も腕を誰かに何かで切られたみたいで血が出てる。

え…。

 「だ、誰だ…」
 「煩せぇ。殺されたくなかったら静かにしろ」
 「何で、こんな事を…」
次々と、その男達は言ってくる。
 「殺せ、と言われたが、殺したくないからだ」
 「そうだ、お前の血をこれらに付けたいだけだ」
 「俺のナイフには血が付いたから、これで良いけどな」
これらに、と言って持っている物を見せてくれる男達に政行は訝しげだ。
 「大人しく、血をこれに付けてくれれば良いんだよ」
と、短刀を突き出してくる男に政行は思わず返していた。
 「言ってる意味が分からないんだけど?」

その男は言ってくる。
 「殺すつもりは無い。ただ傷を負わせて、その血を見せて殺した、と主人に報告したいだけだ」
 「どういう意味で?」
その男は黙る。


タイミングが良いのか悪いのか、宗一がやって来る。
 「あ、お兄ちゃん居た。お兄ちゃん、テレビ見たよー」と走ってくるが、義兄の周りに居る5人の男を見て足を止めた。
 「美那狭?なんで、お前等がここに…」


そして、もう一人。
高瀬は政行に短刀をちらつかせてる男を見て、側に駆け寄る。
 「政行っ」
 「え…、なんで、ここに…」
 「こいつに何をする気だ?」
高瀬は政行を守る様に背を向け、5人の男を睨みつける。
美那狭は、その男に気が付いた。
こいつは、あの秘書だ。
 「そいつの血が欲しいだけだ」
だが、他の4人はとんでもない事を言ってくる。
 「いい加減にやられろっ」
 「大人しく、血をナイフや金槌に付けろ」
 「そうだ、殺したくないから言ってるんだ」
 「それとも殺されたいのか?」

美那狭は、秘書の高瀬に言ってくる。
 「なあ、お宅の会社の為に言ってるんだよ」
高瀬は頑として拒んでいる。
 「こいつの血を、と言ってるのは誰だ?」
5人が皆、黙る。
その沈黙を破ったのは高瀬だ。
 「もしかして、あの女か…」
政行は、その言葉で気が付いた。
 「あの女って…、まさか、あの女は俺を殺そうと」
 「俺は、そんな事はさせんっ」
 「俺は…、俺は何もしてないぞっ」
 「いいか、政行。お前はスランプに陥って泳ぐ事もしなかったんだ。
それは、この俺が一番よく知っている」
パニクろうとしていた政行は、その言葉で気が付いた。
 「ああ、なるほど…。あの女は、お父ちゃんの会社を自分の子供に継がせようとしてるのか。
それで俺が生きてると邪魔になると思って、こういう事を考え付いたわけだ」
その後を高瀬は引き継ぐ。
 「何しろ、皆は知ってるからな。ボスの子供は能無し坊ちゃんだ、と」


自分達の思いとは違う方向に進んでいるのが癪に障り、一人は金槌を政行に投げてくる。
政行は、その金槌を避けた。
もう一人はナイフを投げつけてきた。
だが、ナイフは丁度受付に出てきたサガミコーチの横をすり抜け、受付の壁に刺さった。
サガミコーチは振り向くと、ナイフが刺さっている。
 「え…」

だが、その直後。
大きな声が聞こえてきた。
 「政行っ!」

政行は投げられた金槌を避けたが、その避けた先に、もう一つの金槌が政行の背を叩き倒したのだ。
 「な、そこで何をしてるっ!」
受付の後ろを振り向いて大声を出すサガミコーチ。
 「所長っ、警察をっ!救急車をっ」

サガミコーチはそう叫ぶと、受付の台から躍り出た。
 「マサユキコーチッ」

だが、そいつらは政行を拉致ってくれる。
その連中を追って高瀬とサガミは追いかける。
宗一も追いかけていた。
 「み、な…せ、みなせっ!お兄ちゃんを何処に」

スタッフ通用口は狭い。
1人が限度だ。
だが二人は、とっとと外に出て車を動かしてる。
1人は政行を担ぎ、あとの残り二人が乗るとドアを閉める事も無く車は動き出した。


 「くそぉ…、一度ならず二度までもっ。だが、ここは東京だ。
あいつ等、誰を相手にしてるか思い知らせてやるっ」


所長が出てきたが、何の事か分からないという表情だ。
 「サガミ?一体」
 「所長、遅いですっ。マサユキコーチが拉致られましたっ」
 「なっ…」

高瀬が声を掛けて来る。
 「拉致った奴等は分かっている。何処に行ったのかは分からないが、こっちにはあいつが居る」
 「あいつ?」
 「ああ、そこに居る。桑田宗一。のこのこと、ここに来た甘々の坊ちゃんだ。利用させて貰う」
そう言った高瀬の顔は、桑田宗一を睨んでいる。



 「へっへー。こう間近で見ると、こいつ女顔なんだな」
 「俺、こいつとならヤレそうだ」
 「ヤッてから、どこかに放り投げるか」
美那狭は、その3人に言う。
 「お前等、いい加減にしろよ」
 「だって、こいつが生きてると、俺達捕まるよ。だから、遠くへ行くんだろ」
 「あの女は俺達に指図して、自分は動かないんだからな」
 「もう、いい加減にあそこから出たいな…。美那狭は、どう思う?」
 「俺は…」


車を走らせる事、1時間余り。
東京と千葉の県境に位置する場所に着いた。
 「まあ、取り敢えず俺はヤル」
 「その後、ヤラセロよ」
ああ、と言って後部シートを倒して政行のユニフォームを脱がしていく。
 「良い身体してるな。流石オリンピックに出るだけある」
 「ああ、俺もヤリタクなってきた」

 「待ってろ、先に俺だ」
 「なあ、3Pという言葉を知ってるか?」

にやっ…と含み笑いをした二人は応じた。
 「俺達3人だから、3Pならぬ4Pだな。なら、俺は下半身を貰う」
 「なら、俺達は左右に分かれるか?」
 「ツッコむのは順番だな。良いねぇ…」


政行の身体を値踏みする様に見て、三人は齧り付いた。


車外に出た二人はタバコを吸っている。
 「おい、美那狭。あの三人…」
 「溜まってんだろ」
 
窓越しに車内を覗こうという気は無かった。
男同士だなんて気持ち悪い。
いくら女顔と言っても、付いてるモノは付いてるのだから、萎えるのも時間の問題だ。
車外に出ていた美那狭と徳川は同じ事を考えていた。


   
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