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BL風味のオリジナル小説です。
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桜咲き、春一番で桜散る ~あとがき~

いつも読みに来て頂き、ありがとうございます。

 『桜咲き、春一番で桜散る』は、如何でしたでしょうか?

最初、考えていたタイトルとは別物ですが。
 『桜咲き、 酔い泣き笑い 保ちつつ、
      一陣の風 桜散る』

意味的には二つとも似てます。
前半と後半とに分かれておりますが、前半の部では『ヴィオレ・パルル』での花見ライブ。
花見ライブと、久しぶりの登場となった健志と優ペアのエロシーンが「桜咲き」に当たります。
次の「酔い泣き」では、罰ゲームで薄目の水割りだけど酔ったベーシストのアキと、優の一言で、従兄であるヨシ兄が泣いた。そして、「笑い」では、エロシーンなのに二人は幼稚園児の頃を思い出して微笑んでいたのですね。

そして、後半では。
毎度お馴染みの医学部卒業生の登場でした。
左腕として君臨していたサトルの父であり『御』と親しまれていた人物の葬儀。
葬儀の前日、優介からの言葉で、4人は笑っていた。
それが、一転して泣きじゃくる優介に対し、サトルは毅然としていた。学生時代の左腕の位置を保ち続ける為に、冷笑さえも保ち続けていた事でしょう。
そして、「一陣の風」では、お互いが親と、また姉と対峙して和解組は1人だったけれど、他3人は自分勝手にさっさと手を出していた。
そして、「桜散る」という文章。
9人の内、ボスである友明の側に残る事にしたのは、マサとタカとユタカとジュンヤの4人だけ。残りは日本で過ごすことにして、ワンは香港の実家に帰ってしまった。

その意味を込めて、長すぎる五七五七七を、五七五に変えただけです。
 『桜咲き、春一番で桜散る』も、同じ意味です。

本編である『俺様ボスと私の恋物語』の第一部と、ユタカが主人公だった『君は腐れ縁であり運命の人』とにリンクしています。


そして、父の死をきっかけに東京で、再度暮らすことにした悟&優介ペア。
新しく生きる為、財産分与で頂いた土地で、再度の二人暮らしをする事になりました。
優介はシュークリーム店で、悟はコンピューター会社と道場で。
この二人は、これからはどんな登場をしてくれるのでしょうか?
楽しみです。
それに、徹君も登場しました。
なにやらありそうな予感です。

お楽しみに~。
ありがとうございました。



  2017/4/5  by あさみ







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桜咲き、春一番で桜散る (14) ~最終話~

※岡崎視点※


そして優介に電話したら、「もう食事は作り終えました。どこに居るのですか?」と、帰ってこいと言われてしまった。ので、電話を岡崎君に渡した。
 「もしもし?」
 『誰?』
 「優介?久しぶりー」
 『お宅、誰ですか?』
 「俺だよ、徹」
 『徹?』
 「うん」

 『…え、ええっ!嘘。空手バカの、あの徹?懐かしいー』
 「覚えてくれてたんだ、嬉しいな。懐かしいという言葉が出てくるよねえ」
 『なんだって、そこに徹が居るの?』
 「俺の勤務先の前なんだけど、優介を呼ぶので食事を一緒にと言われてね」
 『んー…』
 「だめ、かなあ…」
 『もう、作っちゃった…』
 「今日の夕食は何?」
 『豚汁と煮しめと、メインはピッツア』
 「あははっ…、優介らしいや。和風とイタリア風かあ。で、ピッツアって、生地作りなの?」
 『うん、でも、まだ焼いてないよ』

 「分かった、帰る」
 『え、いつのまに…。うん、待ってます。徹も一緒にね』
 「ああ、徹君も連れて帰るよ」

いつの間にか手渡されてたガラケーが手元から消えていたのだが…。
でも、徹君も連れて帰るって言ってたよね。
やったぁー。
優介と久々に会えるんだ、嬉しいなー。



連れて来られた所は敷地が広く、住居は1階と2階になっており、公道側にはシュークリーム店になっていて、3階は道場になっている。
こんな所に住んでるんだ。
きょろきょろしていたら、「こっちだ」と言われ、さっさと入られてしまった。
うーん…、この人って、まるで専務みたいな人かも。
それでも、あの専務よりは融通が利きそうで、偉ぶってないから許せるな。
 「あ、どうしよう。手土産が無い…」
 「良い」
 「でも、エチケットでしょ」
 「構わない。私が勝手に声を掛けて連れて来たのだから」
 「ありがとうございます」
(この人は、専務とは違う。あの専務なら、”とっとと買ってこい”と言い出すのに。
ん、待てよ。という事は、反対に俺の方から声を掛けてたら、買ってこいって言うのか。
なんか、そういう感じの人だな。まあ、良いや。悪い人ではないから)
と、楽観視していた。

 「こんばんは、お邪魔します」

目の前には、久しぶりに見る顔があった。
嬉しい。
他の人が居なかったら、目の前に居る優介に抱き付いていただろう。
 「いらっしゃい。徹、久しぶりだね」
 「優介、久しぶりー」
 「どうぞ。今、焼いてる途中なんだ。もうちょっと待ってね」
 「はーい。あのさ、手土産持って来てないんだ…」
 「いいよ、構わない。どうせ悟さんの方から声を掛けたのでしょ?あの人が誰かを連れて来るなんて無い事だから」
 「人付き合いって無いの?」
 「ここ、シュークリーム店の上はコンピューター会社なんだけど、3階は道場なんだ。会社とか道場での付き合いはあるよ」
 「へえ、コンピューター会社と道場かあ」

着替えてきたのだろう、先程とは違いラフな装いをして悟さんがリビングに居た。
 「さっきは悪かったな」
 「こちらこそ、申し訳ありませんでした」
(うん、この人は専務とは違う。断りの言葉を口にする人だ。優介は幸せ者だな)


優介手作りの夕食を食べ終わると、道場へ連れて行かれた。
なぜ道場?
その悟さんは言ってきた。
 「手刀と空手を教えてるんだ。もしよかったら、お手合わせどうかな」
 「空手されてるんですね。強い人とやれるのは嬉しいです」

しぶとく絡みついてやる。
そう思ってたのたが、そんなにも時間を置かずに受け身になってしまって、攻める隙が見えない。
くそっ、なんで強いんだ。

しかも、始めて数分後、終わった。
こんなにも早く勝負が付くなんて…、負けてしまった。
そりゃ、三段と師匠級って、違うよ。
違うけど、なんか悔しい。
そう思っていたら、悟さんは他の人とやり始めた。
それを見てると、少林寺だ。
強い。
これは、強い。
少林寺の対戦が終わると、次は他の違う人と合気道をやり始めだした。
しかも、手刀も。
カッコイイ。
これは、もうあれだよ。
 「しし…」
 「ん、ししって何だ?」
 「師匠っ、俺もここに来て磨き掛けたいですっ」
 「え…」
 「良いでしょ?ここに入会します」
 「え、でも」
 「で、師匠。バイオリンとこれは別物であり、アドバイス等は遠慮なくしますからね」

ぷっ、あはははっ。

師匠は、笑い出した。
 「いや、そういうつもりでここに来させたわけではないのだが」
 「いいえ、俺が来たくて言ったのです。師匠、お願いします」

はいはい。

師匠は両手を軽く上にあげている。
これは、降参したという事だな。

やったぜ。
優介との接点、再び掴まえた。
でもって、俺の師匠も出来た。
夕食の時、教えてもらった師匠の出身大学。
俺と同じ大学なので驚いたが、学部を聞いて、これまた驚いたものだ。
でも、納得いった。
でないと、理屈に屁理屈を並べ立てて言わないもんなあ。
さすが、医学部と情報学部の卒業生だ。

今年の春は幸先が良いな。
良い事ありそうだ。





だが、悟としては、相手は一回り以上も年の離れた若者。
扱い易いタイプである。
ちょっとした言葉を口にして動作を見せると、相手は図に乗って入会すると言ってきたほどだ。
しかも、バイオリンとは別物だとも言ってきては色々とアドバイス等をするとも言ってきた。
ちゃっかりしてるようでいて、優介をエサにすると単純な人間になる。
これを、一挙両得と言う。

そんな悟の気持ちを知らない岡崎は、幸せ者だ。



















- 完 -






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読みに来て頂き、ありがとうございました<(_ _)>
後書きの後は、新作開始です。
お楽しみに。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)))

桜咲き、春一番で桜散る (13)

自分のコンピューター情報網の検索画面に、
 「岡崎徹、バイオリン」
と入力して検索を掛ける。

すると、見知った高校名と大学名。
そして、この顔。

それを見て、思い出した。

一度、いや二度、いや…、一度ほど会ってるかな…。
優介の同級生で、仲の良かった友人だ。
ほう、あいつが腕利きのバイオリストねえ。

乱暴で怖いと、新一が言ってたのは、この事か。
空手三段と少林寺三段。
喧嘩っ早い、か。

そのくせ、澄まし顔でバイオリンを弾いてるのが動画サイトに載ってる。
ほう、これはこれは…。
あの新一がお勧めしてくるほどの腕前じゃん。
あのクマ野郎と互角まではいかないが、中々の線いってるな。

接触図って見るか。

んー…。
待てよ、この会社って、たしかトップは桑田なにさん、だっけ?
会社名で検索を掛けると、社長の顔写真が載っていた。
おお、そうだ。
この顔は経済のモグラ君だ。
フルネームは桑田耕平ね。
んで、こいつは…、専務秘書か。
これはまた、ヤリ手な重役秘書さんだな。



その日の夕方近く、会社帰りを待ち伏せていた。
 「岡崎徹君?」
 「どちら様ですか?」(君呼びってなんだ、こいつ)

グラサンを外すと、あっちの方が分かったみたいだ。
 「あ、優介の…。お久しぶりです」
 「うん、久しぶり。元気そうだね」
 「あの、何か」
 「いや、実は折り入ってお願いがあるのだが」
 「私にですか?」
 「うん。ちょっと立ち話もなんだし、どこかで」
 「ナンパにしては古い言葉ですよ」
 「ナンパで無くて…」


くすくすっと笑ってくる。
その笑みが、とても柔かい。
ああ、優介に似てるのか。
 「あの、ある人のバイオリンを聴いて貰いたいんだ」
 「バイオリンですか?」
 「うん、ある人から君の名前を聞いてね」
 「へぇ、誰にですか?」

なるほど、このギャップね。
人懐っこい顔に、猜疑心もある顔。
これは、新一の言う通り、気を引き締めないと。

すぐイヤホンを挿してやる。が、すぐさま戻されるので、耳に突っ込んだままONにしてやる。
手は止まり、少しすると目を瞑りだした。
聴き終わったのか、口を開いてきた。
 「なるほど、分かりました。でも、この人ってプライドの塊って感じですね」
 「え、プライドの塊?」
 「はい。音一つを取っても、それが分かります。何て言うのだろう、心穏やかに気持ち良く弾いてるのだろうけれど、前者の方は自分の音に酔っている。悪く言えば、ナルシスト。
でも、後者の方は音と遊んでいる。んー、なんて言えば良いのかな。一緒に遊ぼうよ、ってな感じに聞こえるなあ…。ちょっと言葉が見つからない。
あ、でも、私個人としては後者の方が好きだな」

ナルシスト…。
たしかに、そういう節はあった。
今でも、そうなのか。


そう思うと、溜息が出ていた。
 「これが、どうされたのですか?」
 「その、前者の方、私なんだ」
 「そうですか…」

岡崎君は、思いっきり振り返ってきた。
 「えっ、今、なんて…」
 「その前者の方、私が弾いたんだ。そうか、私はナルシストかあ…」
岡崎君は焦りだした。
 「わ、悪く言えば、ナルシストという言葉であって」
 「いや、良いんだ。自分でもどうにか打破したくて、君に聴かせたんだから。
悪かったね、耳汚しさせてしまって…。
お詫びに、食事をどうかな。優介も呼ぶし、3人で」

そう言うと、岡崎君は嬉しそうな顔をしてきた。
 「優介もですか?嬉しい、会うのは久しぶりですよ。是非、ご一緒させて下さい」






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初対面も同様な相手に言われた言葉「ナルシスト」・・・。
悟君、ショックのようです(*≧m≦*)ププッ

次話は最終話です~

桜咲き、春一番で桜散る (12)

葬式と宴が終わった翌日。
悟は、昌平がボスをしている族『ショウ』の溜まり場へ行っていた。

 「おー、これはこれは、珍しい人が来たなあ」
 「お兄ちゃんは居ないぜ」

そう言われても、奥まで進んで行く。
相手はリーダーの昌平ではなく、サブリーダーの新一だ。
 「誰かと思えば、リーダーは居ないぞ」
 「分かってます。お願いがあって来ました」
 「誰に?」
 「サブリーダーである、新一さん。貴方にです」
 「へえ、俺にね…」
 「はい。私にバイオリンを教えて下さい」
 「は?」
 「ある人に、独学で無く、一から始めろと言われました。
悔しくて、悔しくて…。
お願いです。
新一さん、私にバイオリンを教えて下さい」


暫らくの間、誰もが無言だった。
仕方なく、新一は口を開いた。
 「教えろって言われても、弾けるんだから良いんじゃ」
 「でもっ」
 「どうかしたのか?親父さんが死んで、パニクッてんだろ」
 「いえ、もう冷静になってます」
 
言いたくないのだが、これは言わないと分かって貰えないかも…。
そう腹を括ると、悟は昨日の宴の事を話し出した。


聞き終わった皆は笑っている。
ぷっ。
くくくっ…。
わはははっ…。
あっはははははー…。

爆笑されてしまった。

 「そんなに笑わなくても良いだろっ」
新一なんて、目から涙が出てる。

ヒーヒーと笑いながら、笑いを抑えてるのが分かる。
やっとのことで笑いを抑えたのか、新一は言ってきた。
 「悟って可愛いねえ」
 「んな事を言うな」
 「でも、相手が悪い」
 「なんで?」
 「だって、ヒロの事だよ」
 「だから、何?」
 
溜息吐かれた。
 「あのさ、ヒロって、元々は、この『ショウ』のサブリーダーしてたんだよ。
しかも、スピードバカで。
そのヒロに立ち向かうバカは居ないと思ってたんだけど…。
ん、悟?」
 「ああ、だからバイク乗れるって言ってたのか」
 「おーい、聞いてるか?」
 「聞いてますよ。こうなったら、何が何でも一つだけで良いから、あいつより上に行きたいんだ」
 「しゃあねぇなー…、それじゃ、腕利きの奴を紹介してやる」
 「え、その人って信頼できる人なの?」
 「まあ、俺たちより若いけどな」


俺たちより若い。
その言葉にカチンときた。
 「悟、お前のプライドが許すかどうかだな」
 「その人は、どちらに居ますか?」
 「この時間は仕事じゃねえかな…」
 「仕事って、どんな仕事ですか?」
 「んー…、どこぞの会社の秘書やってるってよ」
 「へえ、秘書ね。名前を教えてもらえませんか?」
 「良いけど。言っとくが、お前のお上品な怖さとは違って、そいつは乱暴で怖いからな。
会うのなら大人しく会えよ」
 「はい、心しておきます」


新一さんは、書いてくれた。
その腕利きのバイオリン弾きであり、乱暴で怖いって言う人の名を。

 『岡崎徹』

どっかで聞いた事のある名前だな。
どこだっけ…。
まあ、岡崎なんて苗字は、ありきたりだからな。

 


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そして、サトルは新しい一歩を踏み出す。
サトルから、悟へと。

桜咲き、春一番で桜散る (11)

そして、こちらは姉と対面していた。
 「いい加減に身を固める事をするのね」
 「好きな相手が居るんだ」
 「あんたは、卒業したら継ぐって言ってたじゃないっ」
 「卒業したら、ではない!アメリカで勉強して力を付けてからだと言ったんだ」
 「それじゃ、まだ付いてないって事なの?」
 「そうだよ。それに、あいつは生きてる。死んだと聞かされた時は何もしたくなかったが、今はする気でいるんだ。それに、姉貴の子供を継がせば良いだろ」
 「あんたは何歳になったのよっ」
 「年なんて関係ない。子供に継がせたいから、一生懸命に医学部に行かせようとしてるんだろ」
 「貴匡…」
 「姉貴が嫌いとか、日本が嫌いとかという事じゃないんだ。それだけは知っておいて」
 「たか…」
 「そっか、そう言えば姉貴にはっきりと言ってなかったよな」
 「何を?」
 「あのね、私は、ボスが好きなんだ。だから、オーストラリアのパースで生きていく。
この命を盾にしてでも守りたいんだ」
 「ボスって、ああ、あの可愛い顔をしていた友君だっけ?」
 「それ、ボスの前で言ってみろ。怒られるよ」
 「あははっ…、ったくもう、あんた達は学生時代とまるっきり同じだね。進歩がない」
 「それ、ミスターにも言われた」

姉は溜息を吐いた。
 「あー、もうっ。分かったよ、分かりました。その代り、生きてなさいよっ」

デコピンされたが、こんなの可愛いものだ。
口を尖らせてデコピンしてくる姉の額を、同じ様に人差し指で姉の額に触れてやる。
 「ありがとう。元気でな」




そして、こちらは両親と対峙していた。
 「友君と同じ様にとは言わないが、せめて身を固めないとな」
 「でも」
 「いいか。お前は、この大久保国会議員の子供だ。大久保の家系は、国会議員なんだよ」
 「そうよ、潤也ちゃん。それに、友君には子供が居るってね。早く身を固めて安心させて頂戴」
 「お父さん、お母さん」
口を挟もうとしても、挟めない様にもっていくのは相変わらずだな。
なので、聞く事しかできないでいた潤也だ。

 「医学部に行かせても、結局はモデル止まり。溜息もんだよ」
 「そのモデルも辞めて、今は何をしてるって言ってた?」
 「私は、この仕事が好きなんだ」
 「服を作るのが、そこまで好きなのか?」
 「服を作り、それを着てくれる人が居る。その人が居るからこそ、やっていけてるんだ」
 「なら、どこでも出来る筈だ」
 「そうよ、日本でも出来るじゃない。ああ、でも日本だと私たちの名前に傷がつくわね」

その言葉にムカついた潤也は言っていた。
 「私は好きな人と一緒に暮らしてる。離れるつもりは無い」
 「好きな人って、誰?」
 「もしかして、ボスか?」
即答していた。
 「ボスも好きだけど、一緒に暮らしてる人は違う人だ」
 「なら、どうし」
母親の言葉を遮っていた。
 「私はボスが良いんだ。ボスが居たからこそ、仕事をしながらでも大学に通ってたんだ。
自分の夢を持ちながら、悩みながら進んでいけばいい。
そして、私がボスだけでなく、他の人たちの疲れを癒してあげたい。
そう思ってるんだ。
私は、自分の仕事に誇りを持っている。とやかく言われたくない」
 「潤」
 「それに、後を継がせたければ、他にも男は居るだろう。あいつ等のどちらかにさせれば良い」
すると、両親は渋った顔をしてきた。
 「いや…」
 「あの二人は、ねえ…」
 「私は出来損ないの医者だけど、日本には、そういった医者はたくさん居る。
時々、医者でバイトしてるが、本業はデザイナーだ。
それに、私のパートナーは世界屈指のパタンナーなんだ。
ただ、パースにはボスが居る。
私は、彼がボスだからこそ側に居たんだ。それは、学生時代の頃から変わらない」


暫らくの間、沈黙が下りる。
 「まあ、彼の側にはドイツの人が居るからな」
 「で、そのパタンナーって人と暮らしてるって事?」
 「そうだよ」
 「子供は?」
 「男同士で生まれるわけないだろ」
 「男か…」
 「なに、潤也ちゃんてホモなの?」と言う母親にムカついた。

つい、言っていた。
 「ならば縁を切っても良いんだよ」
 「そんな事はしないわよ」
 「ホモが気持ち悪いんだろ」
母は言いたそうにしてるが、父の方が早かった。
 「私の兄がホモだからな…」
 「え、あの伯父さんが?」

だが、母は違っていた。
 「潤也ちゃんの子供なら、絶対、頭が良くてルックスも良くてイケメン国会議員、間違いなしね」
溜息吐いて、言ってやる。
 「色ボケは、そこまでにして欲しいな。とにかく、私はパースに帰る。恋人を待たせてるんでね」
そう言うと、さっさと実家の玄関を目指してリビングから出て行った。
追いかけもしない両親だが、寂しさというものは感じない。玄関を開けると二人の弟が、丁度開けようとしていた。
 「え…」
 「潤兄?」
 「よ。今、帰りか?」
 「潤兄…」
 「私は葬式で帰国しただけだ。すぐに、あっちへ戻るよ」
 「潤兄、別に邪魔だとは思ってないよ」
 「元気でな」

弟二人にも両親に向けて言った言葉を、言っていた。
すると、末っ子の三男が、きっぱりと言って来た。
 「良いよ、潤兄。俺が二人の後を継ぐから」
 「良いのか?」
 「うん。潤兄は、自分の夢を諦めないで」
 「そうだよ、潤兄の服は好きだよ。こうやって贈ってくれるし」
嬉しそうな表情で、二人の弟は言ってくれる。
 「そっか、ごめんな。応援してるからな」
そう言って、弟の頭を撫でてやると、二人とも嬉しそうな表情をしてくる。その表情は昔と変わらない。あの頃の自分たちの生活を思い出してしまいそうだ。
すると、すぐ下の次男が言ってきた。
 「だって、潤兄は昔っから俺たちの世話をしてくれたもん。今度は潤兄は迷わずに夢を追いかけてね。応援してるから」
その言葉に微笑んで弟に言っていた。
 「あのいけずな二人の面倒、よろしくな」
 「はーい」
 「まっかせなさーい」

兄弟には恵まれてるな…、と思った潤也だった。






だが、しかし…。
一樹は、この秋には契約が切れるのもあり、切れたら日本に帰国する事に決めた。
親に言い含められたのだ。
ワンは後を継ぐつもりもあり、宴が終わった時点で父のジェットで香港に帰国したのだ。

これで、皆が皆、バラバラに散ってしまった。
友明の側には、学生時代に宣告してきた5人の内、4人が残る事となったのだ。





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以上、4名が友明の側に残ったのでした。
4人が、4人共カミングアウトした。
という事ですね。
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